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227話 魔王 11

メンタル面が限界です。転生して~!!じゃなかった、転職して~!!コロナ禍で仕事があるのは良いですけど、人間関係が難しいです。

 ヤマト公国公都ノースガルド ヤマト公国軍司令部 医務室


 マコトが目を覚まして2日が経った。その間に憲兵隊やアリシアからの報告が上がって来た。アリシアからは魔術師級(ウィザードクラス)の団員と共にメンタルケアと称して数千人の団員の精神洗脳をチェックしたが、今のところ見つかっていないという報告だった。引き続き調査するが団員は依頼(クエスト)等で各国に散らばっており完全に調査を終えるには数週間はかかるとのことであった。

 憲兵隊兼諜報部からは洗脳魔法は特殊な系統の魔法であるがイージス聖教国を初めとした一部の宗教国家では研究が盛んであることが判明し、現在は先の作戦で捕虜にしたイージス聖教国の幹部から事情聴取を行いつつも在野の魔法使い、魔術師で使い手が居ないか調査中とのことであった。

 どちらの報告もまだ調査段階であったが調査開始から2日目ではこのようなものであろう。マコトが調査報告書を読み終えると病室がノックされて2人の軍医と1人の衛生兵が入って来た。今日はマコトの体調の経過観察2日目、軍医による最終診断であった。衛生兵が血圧のチェックや体温測定をしている間に軍医が問診をしていく、そして2人の軍医の下した結果は退院しても問題なしとのことであった。

 軍医達が退室して、いつも通りの憲兵軍曹と衛生兵だけが残ると憲兵軍曹が綺麗にプレスされた黒い制服を差し出してきた。マコトはそれに病衣から衛生兵の助けも借りて着替えると十数人の憲兵に囲まれて病室を後にした。


 執務室に戻ると机の上には書類の山が2つ出来上がっていた。室内に2人、廊下に2人の憲兵が立ち残りは付近の個室で待機したり付近を巡回したりしていた。室内には他に書類作業を手伝う為に女性事務官が2人いたが彼女達も18式自動拳銃で武装していた。

 マコトが目を通した最初の書類は国内外で活動する葬送曲(レクイエム)とヤマト公国軍の部隊の展開状況だった。葬送曲(レクイエム)は国内4箇所で魔物討伐に出ており、国外では13箇所の魔物討伐、2箇所の盗賊討伐に出ていた。国外の1箇所では魔物氾濫(スタンピード)の兆候が見られるということであった為に応援要請が来ていたので空中駆逐艦1隻と歩兵1個中隊、財務会計官を増援として送り出した。財務会計官まで行かせたのは依頼料の増額交渉の為である。

 ヤマト公国軍は国内で魔物討伐に1箇所、盗賊討伐に2箇所出撃していた。いずれも国内の冒険者では難しいか、採算に合わない依頼であり一種の公共事業である。その他には部隊の展開のローテーションに関する書類や空中戦闘艦のドック入りの許可案件、武器弾薬等の製作工場の建築の為の土地の買収予算案件、人員増加とそれに伴う予算増額案件等内容は多岐に渡った。

 魔物討伐については兵器創造のスキルポイントが順調に増えていた為に上手くいっているのは分かっていたが、その他の案件は実際に書類を見て見ないと分からない案件である。

 財源は今のところ、戦闘部隊が遠征して魔物や盗賊を討伐して得る報酬や戦利品があるがこれは割合としては大きく無いどちらかというとスキルポイントの確保や戦闘能力の維持、他国への貸しが大きい。次に鉱山都市ドリンドルの工業製品、最初はインゴットで輸出していたがドワーフの数が増えてきた為に剣や鎧、鍋、釘その他もろもろの加工品を輸出するようになり、ゴーレムのダンジョンから得られる金、銀、ミスリルといった希少金属の加工品も他国で人気となり財源の2割程を占める。最大の収入源は砂糖、胡椒、麦といった穀物と塩等の食品の輸出である。実に財政の7割近くを占めてヤマト公国で消費する以外はいくらかを備蓄に回した後は輸出しているがそれでもまだ購入希望が来る程である。これはマコトのスキルである異世界マーケットで購入した物ではなく、元アレフガルド王国の穀倉地帯や元アマゾニア王国の土地を開拓して得た農地や漁村で作られた物である。まあ、種籾や製塩機械等は異世界マーケットのスキルで購入した物であるが既に鉱山都市ドリンドルで交換部品等は製作できる段階になっており、たとえマコトが居なくなっても技術が無くなることはないようにしてある。


 こうした潤沢な予算は国内インフラに回すと同時に軍事予算の増額、他国への貸し付け等に回されてヤマト公国の国力を増大させるのに大きく貢献していた。しかし、それを良く思わない勢力が居るのもまた確かである。








今回は少し財政面のお話しにして見ました。さすがに国と国の取引規模となりますと主人公1人に任せておけませんからね。誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。

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