222話 魔王 6
コロナ収まりませんね。職場でも高熱の人は自宅待機とか命じられて、少し羨ましいなぁ。あ、年休無いやw作品のストックができないので土曜日に書いていますけど、今週は仕事だったので夜に書いてたら、日付変わってました。少しおかしな箇所もあるでしょうけど、優しく御指摘下さい。
小都市国家連合領 上空3000m空中駆逐艦白波艦内
マコト達は、聖都カラバから急いで離脱すると味方が未だに戦闘を続けている小都市国家連合の港湾都市国家へと向かった。
空中管制機を経由した長距離通信で、既に港湾都市国家首脳部は降伏しており、敵は別のモノになっていた。S級モンスター、海龍ゾディアック。
港湾都市国家とヤマト公国の海戦による犠牲者、そして港湾都市国家が戦闘による犠牲者の後処理を惜しみ、海に投棄していた為に大量の血が海を紅く染めて大小の怪物を呼び寄せて港湾都市国家は戦争どころではなくなり、降伏した。
その後、集まって来た魚人、サハギン、亡霊海賊船、シーサーペント、巨大蛸、巨大烏賊等、様々な海の魔物と港湾都市国家の兵士、冒険者、ヤマト公国軍が海で、港で戦っているとそいつは現れた。
巨大烏賊に取り付かれた木造の中型の戦闘艦が、足を切り落とそうと奮戦していると、突然に巨大烏賊ごと海中から現れた大きな巨体に海に引き摺り込まれた。海の王者、海龍ゾディアック!!
跡には大量の木片と気泡が残された。
それを受けて、人間達は一斉に陸地を目指し出した。次は自分達の船かも分からないのだ。帆船は多くの風を受けようと帆を広げて、ガレオン船は櫂を漕いで動き出した。そうはさせまいと邪魔をするのが魔物達である。今まで以上に苛烈に攻め立てて来た。魔物からすれば人間は獲物なのである。特に大量の血で興奮している今は、海龍ゾディアックが現れたからといって止まるものでは無い。
ここで活躍したのが、ヤマト公国軍の空中戦闘艦である。各艦が艦底部に装備された火砲で魔物達に苛烈な砲撃を浴びせた。127mm砲や、76mm砲といった主砲が火を吹き、巨大蛸、巨大烏賊といった大型の魔物を吹き飛ばし、対艦ミサイルが亡霊海賊船を撃沈する。
40mm擲弾発射器や、25mm機関砲が港に密集した魚人や、サハギンを細切れにする。しかし、最大の敵、海の王者、海龍ゾディアックは姿を現さない。空中戦艦や、空中巡洋艦といった大型艦は電磁投射砲まで発射態勢に移行したが、姿を現さず、その日の戦闘は終了した。
次の日からヤマト公国軍は降伏した港湾都市国家の土地を使い、火砲の陣地を築いたり、空中特殊空母から魔導動甲冑小隊を発艦させて、海上の哨戒に当たったりした。勿論、空中空母からも哨戒ヘリや、対艦ミサイルを搭載した戦闘機が絶えず海上警戒に当たっていた。
そんな中、次の犠牲が出た。ガレオン船が1隻と帆船が2隻だった。彼らは港湾都市国家の有力者達の個人所有船であった。降伏した祖国に見切りを付けて、夜の闇に紛れて逃走しようとしたのである。
勿論、ヤマト公国軍もレーダーで3隻の事は確認していたが、湾内であった為に港湾都市国家の軍船との見分けが付いていなかった。湾内から出ようとしているのを確認して警告を発しようとした魔導動甲冑部隊が離陸しようとしたところだった。奴が現れたのは。逃げようとした有力者は港での戦いしか見ておらず、巨大蛸や、巨大烏賊といった魔物の存在を噂で聞きつけ、もうこの都市は駄目だと早々に見切りを付けたのは良かったが、少数での脱出劇はするべきではなかった。人間冷静に考えれば分かることも追い詰められれば、どんな愚行もその時は最善に思えるものだった。
いきなり、夜のとばりを裂いて先頭を進むガレオン船に大きな影が襲いかかってきた、海龍ゾディアックだ!その頃には夜間に不審な行動をする船団としてガレオン船等にはヤマト公国軍の部隊から照明で照らし出されており、その瞬間を多くの夜警の人間が目にした。
ガレオン船は一撃では沈まなかったが転覆して❨横転と転覆は意味が変わらない❩しまった。ガレオン船から放り出された乗組員達を海龍ゾディアックや、他の魔物が捕食して行った。ヤマト公国軍も黙って見てはいなかった。警告の為に離陸態勢に入っていた魔導動甲冑部隊の1騎が海上には乗組員達が居る為に20mm機関砲が使えなかったので、近接戦闘刀のみを装備して飛翔した。そして、湾内の他の部隊から送られて来るソナーの情報から次に海龍ゾディアックが姿を現す場所に目星を付けて、近接戦闘刀で突っ込んだ。その動きは、ガレオン船の乗組員を丸飲みにしようと急浮上して来た海龍ゾディアックの行動とシンクロしており、魔導動甲冑の近接戦闘刀は奴の左目に突き刺さった!!
ギャオオオオン!!!
海龍ゾディアックは左前足で魔導動甲冑を凪ぎ払うと、海の底へと消えて行った。ガレオン船と共に脱出しようとしていた帆船2隻も他の魔物に襲われて、ほとんど沈んでおり、生存者は居ないものとして空中戦艦による砲撃で群がる魔物ごと吹き飛ばされた。
魔導動甲冑は陸地まで100m近く吹き飛ばされていたが、騎体に大きな損傷は無く、搭乗員の葬送曲の団員も軽傷であった。
そんな平穏とは言い難い、港湾都市国家にマコトの乗艦する空中駆逐艦白波は到着した。
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