22話 指名依頼 ドリンドルにて 12
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いつも通り依頼を受けようと冒険者ギルドにやって来たマコト達を受付嬢のアリアが呼び止めた。
「マコト様今よろしいでしょうか?」
「はい、依頼の確認に向かうところでしたので。」
「ギルドからマコト様宛にDランクの指名依頼が発生しております。詳しくは此方へ。」
と受付のカウンター横の通路を開ける。
「ギルドからのご指名だ。ちょっと行って来る。A1、アリシアは付いて来てくれ。」
『了解!!』
通路を通り、ギルマスの部屋とは違う応接室のような部屋に通された。
「指名依頼というのは、はっきり言いますと食肉の確保です。」
アリアは説明を始めた。
「マコト様達の活躍で、ここ最近コダの森の浅い層のゴブリンといった脅威が取り除かれつつある今、はっきりと言えば狩人ギルドが欲を出して大規模な狩猟遠征を行ったのですが、中層域まで入り込んでしまい、冒険者ギルドによる間引きも十分に行われていないエリアであった為、オークナイト数匹に率いられた中規模のオークの集落と遭遇してしまいました。」
アリアはここで息継ぎをすると、
「狩人ギルドにも勿論手練れは居ますが、100匹を超えるオークの群れに敗退しました。幸い死者は少なかったのですが、多くが骨折以上の負傷をしてしまいマコト様達が集めて下さったトリアージ草の回復薬を使用しても狩猟に行けるのはドリンドルの街全体で50人以下と普段の半分以下の狩人しか居ません。すぐにでは無いですが、このままですと食肉の供給に支障をきたして食料品の値上がりが起こりますし、オークの集落についても警戒が必要です。そこで、オークの集落の排除兼食肉の確保を依頼したいと思います。勿論マコト様達だけでなく、いくつかのパーティーに依頼しています。」
「期間はどのくらいを見込んでいますか?」
「最低2ケ月。参加されたパーティーには白金貨5枚500万円を一時金とさせて頂きます。後は確保された食肉の買い取りが報酬となります。」
「アリシア、条件も良いし受けても良いんじゃないか?」
「そうね。買い取りには、割増手当てとか付くの?」
「すみませんが、通常の買い取り価格になります。食料品の価格高騰を防ぐ目的も有りますので。」
「別にオークを優先に狙わなくても良いわね?」
「はい。集落には監視も付けますし、食肉の確保を優先して頂ければ結構です」
「分かったわ。マコトこの依頼受けましょう。」
「ありがとうございます。では、一時金の白金貨5枚になります。」
と言ってアリアは小さな革袋を差し出して来る。
「・・・・・・貴女、私達が受けるって分かっていたわね?」
「正義感の強いマコト様とアリシア様ならきっと受けて頂けると信じておりました。それと、こちらが依頼書になります。」
と言って今度は羊皮紙を差し出して来る。
「買い取りの際は必ずご提示下さい。狩猟結果が記入され、成果が著しいパーティーには追加報酬がございます。」
「分かったわ。」
「それでは良い結果を期待しております。」
入って来た通路を戻り、ギルドのロビーに戻ると、6人は依頼の掲示板を見ていた。他に時間の潰し方も無いしな。
「総員傾注!!」
6人が集まる。
「これから、しばらく豚野郎のお相手だ!!恐怖は!?」
『無し!!』
「士気は?」
『退却クソ食らえ!!』
「良し、出撃だ。」
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