219話 魔王 3
明けましておめでとうございますm(_ _)mお酒の飲み過ぎで、今年初の投稿を忘れるところでした。(危ない危ない汗)今年度も、どうぞ、お引き立ての程よろしくお願いいたします。
高度1万m 空中駆逐艦艦内
小都市国家連合を攻めていた空中駆逐艦1隻と選抜歩兵1個中隊がマコトと共にイージス聖教国の首都、聖都カラバに向かい2日が経過していた。
艦内の作戦室内では毎日のように現地情報のブリーフィングが行われていた。
情報源は現地に潜入しているダークエルフの諜報部隊によるものである。それによると、
○勇者召喚の儀式は聖都カラバ郊外の200年前に廃墟となった宗教施設
○施設は連日、土木作業員による復旧作業が行われていること
○施設の警備には100人を超える聖騎士と300人近い兵士、30人近い聖職者そして、4人の巨人族が1日中交代であたっている
○施設の復旧は多数の作業員を動員することによって、計画よりも進んでいる
こと等が挙げられた。
取り分け、最後の情報はマコト達を焦らせた。勇者召喚の儀式が行われてしまえばマコト達の儀式阻止の目論見は水泡に帰すのだ。
「明日には、目標である聖都カラバの郊外の古代の祭場にたどり着く。そこで、部隊を2つに分ける。第1班の50人は闇夜に乗じて静かに祭場へと侵入する。
そして、魔法陣や神器等の勇者召喚の儀式に必要な情報を可能な限り収集した後に魔方陣を爆破する。第2班約300人は第1班の潜入が露見した際に施設内外に展開して、第1班の目標達成までの時間を稼ぐこととする」
「質問が有ります!」
「発言を許可する」
「ハッ!もし、目標地点において勇者召喚の儀式に必要不可欠と思料される聖人、もしくは聖女を発見した場合の対処はいかがすればよろしいでしょうか?」
「その場合は可能な限り、確保が望ましいが無理なようで有れば、処理せよ」
「了解しました!」
「自分も質問が有ります!」
「よろしい。発言せよ」
「敵勢力には巨人族が確認されたとのことですが、第2班の任務となるでしょうが、重火器を使用するのでしょうか?」
「今作戦は迅速さが命となる。よって巨人族、敵増援の馬車群等を発見した場合は、上空2000mに待機している空中駆逐艦に対処を任せることとする。以上だ。解散」
作戦室内から数人の幹部が、ぞろぞろと出て行くが皆、先鋒となる第1班に選ばれようと目がギラギラとしていた。
幹部である小隊長達が、それぞれの部下達が待機している場所に戻ると、部下達は皆、作戦室内での情報を求めていた。
そして、小隊長から先陣を務めるのは1個小隊50人と聞くと皆、目をギラ付かせるのであった。
この作戦に参加したのは、近々ヤマト公国軍内で行われる組織改革で、親衛隊の候補とされていた者達ばかりであった。その為に作戦後の論功行賞での評価を気にしている者達ばかりであった。その為に戦功を挙げやすい第1班への参加を皆が希望したのだ。
しかし、そのメンバー構成の発表まで1日を切ってしまっている。一部の気が焦った女性兵士の中には、軍規違反にならない程度に化粧をしてマコトが居る艦長室前で出待ちをしてアピールしようとしたり、一部の兵士達はマコトが良く現れるという噂の艦格納庫に集まり訓練をする等して各々が自己アピールをしていた。
そして、ブリーフィングから約1日後、再び艦内の作戦室内に幹部が集合して部隊編成が発表された。各々の努力が実ったかは、マコトのみが知る。
そして、作戦決行時間に駆動機関音等を察知されないように高度8000mまで高度を上げた空中駆逐艦の格納庫の後部ハッチから約50人の影が飛び出す。
彼らの目標地点は、施設から5km離れた場所にある空き地である。そこには既に現地協力者であるダークエルフの諜報員によって赤外線ストロボが設置されており、部隊は闇夜の中、部隊員のエルフの風魔法により衝突することなく、パラシュートでの降下に成功した。
降下した部隊がパラシュートを処理していると、数人のダークエルフの諜報部隊員が現れた。
「司令は、どちらに?」
「多分、最初に降下した組だから、あっちだと思うぞ?」
「感謝」
「司令!」
「オオッ、先行して潜入していた諜報部隊員だな?誘導感謝する」
「それよりも、お伝えしたい情報が。作戦決定後に施設にイージス聖教国の幹部を乗せたと見られる数台の馬車が到着しました。推測になりますが、勇者召喚の儀式は予想よりも早く決行されるやもしれません!!」
「・・・了解した。全部隊、偽装工作を中止。パラシュートは1ヶ所にまとめて置いておけ、最悪焼却処分する。作戦を前倒しする、移動開始、移動開始!」
その後、人員確認が終わった分隊から、諜報部隊の先導でイージス聖教国軍の警戒網の穴から、マコト達ヤマト公国軍は廃墟である施設に浸透を開始した。
パシュ!パシュ!
「歩哨を排除」
「進め、進め」
200年前に放棄された廃墟と言っても、広さが縦3km、横3kmの広さが有り、そこを深夜でも100人近い敵が警戒しているのだ。応援を乗せた空中駆逐艦も、施設上空まで移動して来ていたが、まだ第2班にはGOサインは下りなかった。
「司令、この次の間を通り抜ければ、召喚の儀式の間まですぐです」
「了解、総員弾倉確認」
ここに、来るまでに数回の戦闘を行い、弾薬を消耗した者も居たからの確認だった。
「良し、突入!突入!突入!」
兵士達が暗い広間の中へと次々と侵入して行く、しかし、10人程突入して後続の兵士が突入できなくなる、先の兵士が進まないのだ。
「おい!何をしているんだ?後がつかえて居るぞ!?」
「て、敵襲!!」
そう言って、先行した分隊は全力射撃を開始する。
「馬鹿者!隊列を考えろ!!横列隊列!後続の火力も生かすんだ!」
そうすると、更に10人程の兵が広間に侵入できてマコトも加わり、ようやく、事態が把握できた。
広間には50人程のフルプレートの全身鎧の聖騎士と、数人の聖職者が待ち構えていたのだ。
「神を恐れぬドリントの魔王の狗共めが!ここまで、来れた事は敵ながら誉めてやる。しかし、貴様らは皆、ここで死ぬのだ!!」
聖騎士達の後ろから、聖職者の1人が叫んだことにより、射撃が一瞬止む。
そこで、マコトがアイテムボックスから拡声器を取り出した。
『あ~、あ~!こちらはヤマト公国の部隊である!当方は貴国の小都市国家連合への武力援助の疑い、及び禁忌とされた異世界人召喚の儀式の行使の疑いがかけられている。速やかに武器を捨てなさい!!』
「だまらっしゃい!異教徒ごときが聖なるイージス神を崇める聖教国に楯突こう等おこがましいわ!!貴様等が武器を捨てい!!」
「警告に応じる気は無し・・・と。総員殲滅せよ!」
再び広間に銃声が響き渡る。
駅伝無事?に開催されましたね。オリンピックも開催されると良いですけどね。お酒の飲み過ぎで頭痛いですw皆さんも羽目は外し過ぎ無いようにしましょう。コロナが収まりますように。感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。後、繰り返しになりますが感想を書いて頂けると作者が喜びますw




