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213話 大改革 10

世間では、コロナの第3波かと騒がれていますが終息するのでしょうか?ワクチンが開発されてもインフルエンザのように毎年予防接種するような時代になる気がします。

 国境 葬送曲(レクイエム)野戦司令部


 マコトはモニターを見続けていたが、吹き飛ぶ単眼巨人(サイクロプス)人食巨人(トロール)以外に何かが映り込んだような気がした。


 『撮影班、敵陣後方をズームしろ』


 無線機で塹壕陣地で、撮影をしている部隊に指示をする。すぐにモニター画像が拡大されていった。

 そこには、革鎧と投げ槍で武装した軽歩兵が複数映し出されていた。なんだ、歩兵か、と思った次の瞬間、その隣を単眼巨人(サイクロプス)が通り過ぎて行く、同サイズの・・・・・。


 「巨人族(ギガンテス)か!!」


 マコトは無線機に飛び付くと、単眼巨人(サイクロプス)達を砲撃している戦車部隊を呼び出した。


 『野戦司令部より鉄亀、野戦司令部より鉄亀、砲撃を直ちに中止して目標を更に後方の巨人族(ギガンテス)に変更せよ!!最優先事項だ!!』


 『鉄亀1了解した』


 「司令、どうされましたか?巨人族(ギガンテス)でしたか、それが何か?」


 黒髪の情報分析班の女性が問い掛ける。


 「情報分析班所属なのに知らんのか!巨人族(ギガンテス)はイージス聖教国に居住地を持つ成人した男は皆、屈強な戦士で実質イージス聖教国の(いぬ)だ。何より恐ろしいのは、その約4mの巨体で普通の人間と変わらない知能を持つことだ」


 「・・・・!それって!!」


 「嗚呼、政治的にも戦力的にも厄介な相手だ。早々に始末しなければ」



 

 20式重戦車部隊 中隊長車両 鉄亀1


 『全車、目標を木偶の坊の単眼巨人(サイクロプス)人食巨人(トロール)から巨人族(ギガンテス)に変更せよ!司令官直々の命令だ。弾種榴弾、データリンクをしっかりと確認して無駄弾を撃つなよ!』


 『鉄亀1、こちら鉄亀4、巨人族(ギガンテス)とは何ですか?』


 『ハァ、鉄亀全車良く聞けよ。気付いた車長も居ると思うが、木偶の坊共の後方で、こちらを伺っていた人間と変わらない姿をした巨人達、それが巨人族(ギガンテス)だ。奴らは俺達と変わらない頭を持っているらしい。木偶の坊共でこちらの戦力を計っていたんだ!今までとは違うぞ、気を引き締めて行け!!』


 『『了解!!』』




 葬送曲(レクイエム) 野戦司令部


 「どうやら、動き出したようだな?」


 モニターには、前線の後方に配置されていた巨人族(ギガンテス)達が砲撃により吹き飛ぶ姿が映し出されていた。驚くべき事に初弾を回避した巨人族(ギガンテス)も居た。


 「敵陣に動きが有ります!」


 別のモニターを監視していた司令部要員が報告する。


 「敵は単眼巨人(サイクロプス)達を前面に押し出して、前進を開始しました」


 最前線に単眼巨人(サイクロプス)と、人食巨人(トロール)。その背後に巨人族(ギガンテス)、そして、重装歩兵を中心にして両翼を軽装歩兵と騎馬兵で固めた主力の小都市国家連合軍が動き出した。


 数百m進むと、巨人族(ギガンテス)が前進を止めた。その間にも、砲撃により次々と倒れていくが動揺は見られない。流石は戦士の一族である。

 動きを止めた巨人族(ギガンテス)は一斉に投げ槍を構えた。その意味に気付けたのはマコトだけだった。


 「総員、司令部天幕から退避しろ~!!」


 団員達が一斉に走り出すと同時に、巨人族(ギガンテス)は投げ槍を放った。

 十数本の投げ槍は、大きな放物線を描き、野戦司令部を直撃した。


 現場は阿鼻叫喚に包まれた。軍団(レギオン)設立以来、敵に司令部を蹂躙された経験はほとんど無かった。そのせいで、古参の団員も新人団員も皆、パニックに陥りかけた。

 その間に、巨人族(ギガンテス)達は前進を再開した。


 混乱を終息させたのは、マコトの指示だった。


 「総員、持ち場を離れるな!敵の主力が迫りつつあるんだぞ!突破させる気か?衛生兵!集結しろ、何人か取り残されている救出するぞ。世界樹の雫の出し惜しみはするな!全員助けるんだ!」


 「「ハイ!!」」


 「通信兵、通信兵は居るか?」


 「ハイ、司令ここにおります!」


 「負傷しているところ悪いが、予備兵力の歩兵戦闘車両群の所に行き、無線機を借りて重戦車中隊に一刻も早く巨人族(ギガンテス)を殲滅して、その後に他の巨人共を駆逐するように連絡してくれ。後、予備兵力から人員も借りて来てくれ、救出の人手が足りない。頼んだぞ!!」


 「ハイ!!」


 若い通信兵は走り出した。

 マコトの所へ情報分析班の女性団員がやって来た。


 「司令、お怪我を!!」


 「大丈夫だ。それより参謀の行方は?」


 「・・・・。まだ瓦礫の下だと思われます」


 「クソ!まさか、損害度外視に司令部を潰しに来るとは!?」


 「はい、意外でした」


 「これがイージス聖教国による作戦なのか、巨人族(ギガンテス)による単独の作戦なのかかが気になる。調べてくれるか?」


 「司令は、世界三大宗教の1つイージス教を敵に回すおつもりですか?」


 「仕掛けて来たのは向こうだ。それに以前から世界樹の利権についてとやかく言って来てたからな。今回で一気に消すつもりだったんだろうよ。おかげで自分の参謀は行方不明だ。探してやらないとな」


 「了解しました。ゲシュタルト王国の『王国の影』とも連携して取り組みます」


 「頼んだよ。さて、アイツは生きてるかね。口五月蝿いアイツが居ないと静かでいかんよ」


 マコトは、その後ろ姿に濃厚な殺気を纏いつつ、救出作業の指揮に戻った。

 その頃、塹壕陣地では小都市国家連合軍主力と葬送曲(レクイエム)の主力が衝突していた。









誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。今回登場したイージス聖教国は137話にも出て来ます。他にも出したような気がしますが資料が一旦整理しないと滅茶苦茶ですw沢山の応援、誤字報告ありがとうございます。とても励みになります!!

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