210話 大改革 7
体調不良中の護國鬼です。相変わらずですが、読者の皆様の熱い応援を糧に作品を執筆中です。今回は新兵器の御披露目です。受け入れてもらえると良いのですが。(心配)
某国 森林深部
パパパン!パパパン!パパパパパパパン!!
タタタタタ、タタタタタ、タタタタタン!!
森の奥で、多数の銃声が響き渡る。
「くそ!依頼はゴブリンの集落の殲滅じゃあなかったのか?何であんな・・・」
1人の葬送曲の団員が叫ぶと、それに被せるようにして、
『ウォォォォ』
「来たぞ!!オーガの群れだ!!」
マコトの為に、魔物の討伐ポイントと魔石集めの為に、軍団は各地に散っていた。彼らもそんな一団だ。
しかし、彼らは冒険者ギルドの討伐依頼とは違う事態に陥り、混乱していた。
「小隊長!付近の部隊で応援に来れそうなのは1日かかるそうです!!」
小隊の通信手が悲観的な報告をする。
「討伐対象はゴブリンということで、重火器は数発の84mm無反動砲の砲弾と数百発の12・7mm重機関銃の弾しかないぞ!オーガは20体は居る!!」
状況も絶望的だ。
「何?それは本当なのか?」
通信手が叫ぶ。
「どうした?」
「小隊長!朗報です。500km程の距離に空中母艦、扶桑が居て、こちらを援護できるそうです!!」
「空中母艦?空中空母では無くて?」
小隊長は疑問を口にする。
「そう言えば、そうですね?聞き違いでしょうか?」
耳を傾けていた、ある団員が軍団の編成表を取り出して、ページを捲ると、叫んだ。
「小隊長、恐らくそれは試作実験艦では?」
「何だ?それは?」
「新兵器の実地試験部隊です。今まで見たことの無い兵器のオンパレードらしいですよ」
「何でも良い!兵力が有るなら援軍を要請しろ!!」
試作兵器実地試験空中母艦 扶桑艦橋
「味方地上小隊より援護要請!相手はオーガ約20体だそうです」
「指令本部に確認せよ!我々は雷獣の墓場に向けて航行中であるが友軍を援護しても良いかどうかをな?それと同時に進路を友軍に向けよ!!」
扶桑艦長が指示を出す。傍らに控えて居た少佐が艦長に確認する。
「艦長、我々も待機しますか?」
「頼む、少佐。大型魔物は君達の得意分野だろう?」
少佐はニヤリと笑みを浮かべる。
「艦長、指令本部からです!『1人も見捨てるな』だそうです!」
「少佐、許可がおりた『試験魔導動甲冑小隊』出撃だ!!」
少佐が右手を握り拳にして右のこめかみに当てる、軍団式の敬礼をする。
「了解!!『試験魔導動甲冑小隊』出撃します!」
「尚、最初のオーガの群れへの一撃は、本艦からの試作兵器、電磁投射砲により行う!目標への飛行中は射線に注意せよ!」
試作兵器実地試験空中母艦 扶桑格納庫
そこには3体の全長9m近い巨人が横たわって居た。
「少佐、出撃ですか?」
壁に寄りかかって、水分補給をしていたエルフの中尉が質問して来た。
「そうだ、相手はオーガ20体。母艦からの電磁投射砲の砲撃の後に我々が突入する。付近には味方の歩兵小隊が展開している。彼らに注意せよ」
「ヒュー!!豪勢だ。我々の初陣ですね!」
人族の曹長が、操縦席から頭を覗かせる。
「そうだ、緊急出撃だ。発艦の準備を急げ。GO!GO!GO!」
5分後、出撃態勢が整った。
『魔導動甲冑1号機、電磁発射器へ』
艦内放送が流れる。
「オーライ!オーライ!ストップ!!」
誘導員の指示に従って、巨人が動く。
1体の魔導動甲冑が電磁投射器に脚部を固定して姿勢を取る。
『3・2・1・GO!!』
ブーン!!!
9mの巨人が急加速して、発艦する。そのような光景が後2回繰り返された。
『こちらコールサイン、「ゴーレム1」機器、レーダー、推進剤全て異常無し。
オールグリーン!!』
『こちら「ゴーレム2」同じく異常無し』
『「ゴーレム3」異常無し』
『ゴーレム1・2・3、こちら扶桑、空中管制エリア72は電磁投射砲の射線である。避けるように。現場の状況は、こちらの到着まで目標を見失わないように地上小隊が攻撃を続行するそうです。電磁投射砲発射まで5分、現場到着を16分を予定しています』
『ゴーレム1、了解した』
『幸運を!!ゴーレム1・2・3』
3体の巨人が推進剤の虹を作りながら、戦場に向けて飛翔して行く。
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