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204話 大改革 1

仕事が忙しくて作品を書く時間が確保できない(T-T)9月の4連休はなんとかもぎ取って作品の書き留め等を行いたいです。

 王都ゲイボルグ


 戦火冷めやらぬ王都の民達は王都郊外に立ち上る5つのキノコ雲を見上げては、ヒソヒソと噂しあっていた。


 そこに、王都の衛兵達が現れて民衆に解散を命じた。

 これ幸いと民衆は衛兵に詰め寄る、王都を襲撃した敵はどうなったのか?爆音と共に立ち上ったキノコ雲はなんなのか?

 殺気だった民衆と衛兵が衝突寸前まで行きかけると、空から新たな重低音が響き出した。

 軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)の空中戦艦比叡と、空中駆逐艦島風だ。

 王都上空に滞空すると、人員を降下させ始めた。

 それと共に王城から近衛騎士団が姿を現した。

 何が始まるのかと、一部の民衆が駆け寄ろうとしたが、衛兵達が押し止めた。


 「王都の民達よ!!」


 近衛騎士団の騎馬集団の中から1騎が進み出る。誰あろうゲシュタルト王国国王ハイマンであった。


 「侵略者達は既に撃退された!王都郊外に立ち上る煙は、尚も侵略を企んだ愚か者共が焼ける弔いの煙である。もう、侵略者達に脅える必要は無いのだ!!」


 「「オオオオオオッ!!!」」


 ハイマン国王の説明に民衆は納得した。しかし、一部の者達は尚もヒソヒソ話を止めようとしない。その目には怒りの炎が燻っていた。


 ハイマン国王は演説を続ける。


 「今回の戦では王都の民達にも多くの犠牲者を出してしまった。その責は私に有る!!よって今回の戦で民が被った被害の弁済を国庫からではなく、王家の資産から出すものとする!!」

 

 「「オオオオオオッ!?」」


 今度の喚声には多くの疑問符がついていた。まだ理解が追い付かないらしい。


 「つまりは、今回の戦に関して民に増税すること無く、失った財産を王家が補てんするということだ!!」


 その説明に、家を焼かれ、財産を失った者達の目から怒りの炎が消えた。次の瞬間、


 「「ウォォォォォォォ!!ゲシュタルト王国万歳!!国王陛下万歳!!」」


 民衆の感極まった喚声が挙がる。止むことの無い王家を称える喚声が続く。

 興奮した民衆がハイマン国王の元へと駆け寄ろうとするが、再び衛兵がそれを防ぐ。民衆の中に敗残兵が紛れ込んで居ないとも限らないからだ。

 ハイマン国王は民衆に手を振りつつ近衛騎士団に囲まれて王城へと戻り始めた。

 その道中で空中艦隊から降下したマコト達とスレ違う。

 マコトは自然と近衛騎士団の馬列にもぐり込み、ハイマン国王の横に付く。


 「やぁ、ヒイラギ辺境伯、イスマル皇国の援軍は約束通り撃破してくれたんだね?しかし、派手にやったね。民衆になんて説明するか迷ったよ。約束通り公爵の地位を君に授けるから、このまま城に来てね・・・・」


 マコトは周囲を気にしつつ、ハイマン国王に話し掛ける。


 「あのような演説をして正気ですか!被害に遭った民は、国境から王都までの広範囲に渡ります。その数は何万、何十万となることでしょう!!そのような数の民の生活の保証を増税もせずに賄えるとお思いか?」


 ハイマン国王は、馬の手綱を放すと馬上で両手を合わせてお願いの姿勢を取ると、


 「スマナイ、ヒイラギ辺境伯、金を貸して欲しい!!」


といきなり爆弾発言をして来た。


 「ハァ!?っていうか今言うような事ですか?」


 マコトは、急いで周囲を見渡すが周囲の近衛騎士は皆、そっぽを向いていた。


 「大丈夫だ。周りの近衛騎士は口が堅い者を選んである。取り敢えず1000億円貸して欲しい!足りなかったら、追加で頼むことになるが・・・・」


 マコトは、しばらくの間、思考放棄していたが、


 「・・・・タダでは貸せませんよ?」


 漸く、それだけの言葉を絞り出した。


 「分かっている。王国が管理している旧アレフガルド王国領の全てでどうだろう?これで君は旧アレフガルド王国領の半数を手に入れることになる。公爵の地位にも相応しいと思うが?」


 マコトは、半眼になると、


 「ゲシュタルト王国による旧アレフガルド王国領の統治は、一部の例外を除いて失敗していると聞きますが?住民のエルフとの関係が上手くいかず、流民を多く出したとか?」


と、刺々しくハイマン国王に問う。

 ハイマン国王は、マコトの視線から逃れようと明後日の方角を見ながら、言う。


 「そこは、臣下にエルフを多く抱えるヒイラギ辺境伯ならば、なんとかなるのではないか?実際に現在の領地は上手くいっているのだろう?」


 マコトは、これ以上は無駄だと悟ったのか、言い放った。


 「公爵位と領地の件は今日中にお願いします!その代わり1000億円は1週間以内にお届けします!!」


 「オオ!では?」


 「余り、我が領に頼り過ぎないで下さい。裏切った貴族家の資産の没収とか他にも手はあるのですから」


 「その件だが、敗残兵を追討に向かった兵から連絡があり、関所を閉ざして籠城の構えらしい。また、戦になるな・・・・・」


 「そちらは、貴方様にお任せします。自分は領地の財政を任せている者達と予算の見直しに掛からねばなりませんから!!」


 「手を貸してはくれんのか?」


 「我が領地が他領よりも豊かといえど限度は有るんです。戦力に不安が有れば兵糧攻め等試しては?」


 「それしかないか・・・・。ミナサリアはどうする気じゃ?」


 「このような情勢では、結婚は先になるでしょうね」


 「あの娘は亡き母上に似ている。余り疎かにすると後が怖いぞ?」


 「誰のせいですか!!」






 


 


 

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[良い点]  うまく 戦争から手を引く タイミングを見つけたこと。貸す金の工面をするからと 言われたら 国王も それ以上は 何も言えないでしょうね。 [気になる点]  領地をもらっても 開発に 掛かる…
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