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203話 王都炎上 20

台風10号は事前の予想程ではなかったという報道も有りましたけど、被害に遭われた方は居る訳で、事前の注意換気が過剰な程だったからこそ被害が抑えれたのだと思います。引き続きコロナも気を付けつつ、自然災害にも注意していきましょう。

・・・ 王都ゲイボルグ上空高高度 空中駆逐艦島風艦内


 「司令、艦橋に入られます!!」


 マコトが島風の戦闘艦橋に入った。


 「下では、空中戦艦比叡と空中空母赤城から発艦した艦載機部隊がイスマル皇国軍と裏切り者のハイネマン伯爵軍とサルマン伯爵軍を攻撃しております」


 島風の艦長が報告して来る。マコトは艦長席の隣に設置された臨時の席に腰をおろして祈るように手を組んだ。


 「例のモノは、艦の格納庫に?」


 艦長が自分の席に腰をおろしながら、問うた。マコトは深々と頷いた。


 「MOAB全ての爆弾の母、本当にそのようなモノが?」


 「かなり強力なモノだ。それを5発用意した、それを間隔をあけて連続投下する。敵の連合軍は大きな被害を出すことになるだろう、その規模は想像も付かない。全長約9m、幅約1m、総重量約10t。投下30分前には付近の部隊を全て下がらさせておくように、爆発に巻き込まれる」


 「それほどですか?」


 「当艦も安全ではない。投下後は全速で離脱せよ。目標への誘導は地上部隊が事前にマーキングを済ませている、我々は投下するだけで良い」


 「また、我々の知らない戦い方ですね。司令の居た世界というのは一体?」


 「艦長、聞かなかったことにしておこう。しかし、1つ覚えておきたまえ、長生きはするものだぞ?」


 「???」


 艦橋に配置された要員から、報告が来る。


 「投下ポイントです」


 艦長が命令を下す。


 「投下せよ!」


 艦橋に設置された格納庫を映し出すモニター画面から、1発目のMOABが投下されて行くのが見えた。続けて2発目、3発目、最後の5発目が格納庫から出て行くまで艦橋の皆が、その鉛筆型の爆弾がパラシュートに引かれて格納庫から飛び出すのを眺めて居た。


 「全弾投下完了しました。当空域を離脱します!」


 投下後、10分。再び艦橋の要員が報告する。


 「爆発、10秒前です。10、9、8・・・・2、1、起爆!!」


 モニター画面が格納庫から、場所を変えてMOABの投下地点付近を映し出していた。大きなキノコ雲が5つ立ち上っていた。数秒後、


 ズン!!!


 艦内が大きく揺れた。艦橋要員から小さな悲鳴が上がった。


 「全弾起爆成功。土煙の為、爆心地の状況は不明です。地上部隊が確認の為に爆心地に接近の許可を求めています」


 マコトは考え込むと、言った。


 「20式重戦車小隊のみ許可すると伝えろ、空中戦艦比叡と空中空母赤城の艦載機部隊には今しばらく近づくなと念押ししておくように」


 「了解しました」



 30分後、爆心地付近に向かった戦車小隊から、空中戦艦比叡を中継して報告が入った。


 「ザ、ザ、ザ、こちら鉄亀!!敵軍は消滅しました!繰り返します、敵軍は消滅しました!一部の敵が逃走を図っている模様です。およそ数百と思われますが、逃走の痕跡を発見しました」


 空中駆逐艦島風の艦橋要員からは、溜め息が漏れた。まさか生き残りが居るとは・・・という雰囲気が流れていた。


 マコトは、考え込むと、通信要員に伝えた。


 「逃走した敗残兵の追跡は、ゲシュタルト王国が用意した近衛騎士団を中心とした部隊に任せる。王都に残っている歩兵部隊から彼らに伝えさせろ、手柄が欲しくてウズウズしている筈だ。鉄亀は他の地上部隊と合流して戦場のクリアリングを行うように、空中戦艦比叡は前進して地上部隊を援護せよ。空中空母赤城の艦載機部隊は近衛騎士団に気付かれないように、敗残兵を高高度から監視せよ」


 マコトは指示を出し終えると、艦長席の横の臨時の席に深く座り込んだ。手を組んで祈るように頭を下げた。


 「後悔ですか?」


 島風の艦長が問い掛ける。マコトは首を振り、


 「命を落とした10万を超える兵に、僅かな祈りをしただけだ。次は敵として生まれて来るなよ・・・・と」


 島風の艦長は、頷いた。


 「確かに、ハリマ帝国親衛隊からゲシュタルト王国の軍団(レギオン)に所属が変わると聞いた時は親衛隊長・・・・オヤジの正気を疑いましたけど、オヤジは正しかった。葬送曲(レクイエム)は敵に回してはいけない」


 「それに、彼らの死は無駄ではない・・・」


 マコトは虚空を見つめてそう言った。


 「司令、それは一体?」


 マコトは艦長の問い掛けに答えることもなく、虚空にマコトだけに見えるウィンドウに今までに無いほど貯まったスキル、兵器創造のポイント欄を見つめていた。






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