20話 ドリンドルにて 11
金毛の山羊の蹄亭で、新たに仲間になった6人を前にする。
「君らは人族が憎いか?」
この質問に瞳を濁らしたのは2人。
「しかし、自分は君らに敵意は無い。それどころか好意の方が勝っているだろう。」
この言葉に6人はざわついた。
「発言を許可しよう。というか、これからは望む望まないと仲間だ。だから発言は自由にしても良い。それが悪口でも、余程のことでなければ受け入れよう」
1人がおずおずと挙手した。
「発言しても良いですか?」
マコトは言った。
「良いとも、先ほどそう言った」
「では、私たちはこれからどうなるんですか?国には帰れないだろうし、アリシアさんっていう同族の方が貴方について行けば新しい道が開ける。そう言ったので、ここまで付いて来ましたけど?」
「私もです。村や国を守る為の戦いならともかく、私たちアレフガルド王国から仕掛けた戦争だと聞きました。そんな戦いで捕虜になって、奴隷になって。」
「結論から言おう。君らには冒険者になって貰う。ギルドで依頼を受けて森に入り依頼を達成して報酬を貰う。正直今までの生活に近いんじゃないかと思う。」
「え、そんなことで良いんですか?」
「但し、これまでと違う点が1つ有る。それは・・・・。アリシア19式を。」
アリシアは、頷くと腰のホルスターから19式自動拳銃を抜き机の上に置いた。
「これは?」
「君達の新しい武器、銃だ。」
「銃・・・・・・。」
「銃は君らの弓矢と違い、遠くの敵を連続で、何人でも倒せる。」
「そんなこんな物が人族にあれば私たちエルフ何て。」
「嘘よ!!!」
「事実だ。但し勘違いが1つ有る、銃はここに有る自分達が持つ物だけしか存在していない」
「何で、そんな物を私達に?」
「君らはこの世界をどう思う?」
「どう思うって言われても・・・・。」
「人々は塀や、柵に囲まれた街の中でしか安全に暮らせず、一歩外に出れば、魔物や盗賊どもに襲われる日々。国はそんな民衆を守るどころか、領土拡張の戦いを繰り返すばかり。変えたくはないか?安全な土地を例え、村1つ、街1つでも」
「出来るの?そんな事。」
「その為の銃、その為の君達だ。」
「正直貴方を今すぐに信用することはできない、けど考え方には賛成する。」
「それでいい。君らの得意な技能、戦い方を教えてくれ、それに合った銃を用意しよう。」
その結果、18式狙撃銃(セミオートマチック式) 2丁
19式自動小銃 3丁
19式5・56mm軽機関銃 1丁
の火力が増強されることになった。
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