2話 異世界転移 2
第2話です。戦闘回は恐らく次回からになります。ブックマーク、感想等頂けると嬉しいです。
「異世界に転生してみませんか?」
「え?」
唐突な死神を名乗る女性からの申し出に、自分は驚いてしまった。まるで、勤務の合間に読んでいたライトノベルの展開のようで、自分の死を死神に告げられたのだから、あの世に行くものだと思っていた。
「異世界とはどんな世界でしょうか?」試しに聞いて見ることにした。
「あなたの記憶は大体読み取らせて頂きました。あなたの好む書籍のように中世のような世界で、魔法が存在する世界です。勿論、魔物も存在します」
記憶を弄られたと聞いて良い気はしなかったが、中々心踊る世界のように感じた。
そうなると後は特異能力の有無だ。
「話は大体理解しました。しかし、そのような世界に転生しても武器も何も持たない状態で放り出されてもナイフを持った暴漢程度ならともかく、魔物等相手にできません。何か救済処置はありますか?」
死神の女性は、何か考え込むような素振りをして切り出した。
「では、あなたが生前使用したことの有る武器若しくは知識の有る兵器の段階的な創造の能力、後は生前暮らしていた世界で購入することが出来た物品の購入の能力を付与しましょう」
中々の好条件だが、ライトノベルを読んでいた身としては、まだ足りなかった。
「差し出がましいですが、時間凍結されている容量無限のアイテムボックスに鑑定の能力、マップ能力も追加出来ませんか?」
死神の女性は少し、頭痛を抑えるような仕草をしていたが、
「分かりました。少々過保護な気がしますが、こちらの過失が原因です、付与しましょう。それと転生と言いましたが、肉体の構成等を向こうの世界に合わせて行う為、肉体年齢が調整出来ますが何歳位に調整しますか?」
肉体年齢が調整出来るのか、考えるまでも無く自衛隊時代の20歳代だな。
「20歳でお願いします」
こちら側には見えないパソコンのような画面を弄りつつ、死神の女性は、
「20歳ですね、了解しました。柊さんの能力値は向こうの成人男性を100としてこのようになります」とパソコンの画面のようなものをこちらに飛ばして来た。
柊 誠 20歳
筋力 180
防御 200
素早さ 120
スキル
武器創造Lv1
異世界マーケット
アイテムボックス
鑑定Lv5
マップ作成
「このステータス画面は「ステータス」と唱えることで今後見ることが出来ます。
また、スキルを獲得する等して画面を更新することも出来ます」
いよいよ、ファンタジーっぽくなって来たなと感じたが便利なのは間違いない
「いろいろとありがとうございました」自分は頭を下げた。
すると、死神の女性は少し慌てて、
「あくまでも、こちらのミスによるものです。柊さんに非はありません」
「それでも、これだけの能力を与えて下さり、転生先も確保して頂きました。
これだけして頂けば感謝の言葉を送るのは日本人として当然だと思います」
「本当に日本の方は真面目なのですね。スミレと言います」
「え?」
「菫です。私の名前。普段は教えないのですよ」
「ああ、そういうことですか。菫さん、どうもありがとうございました」
「柊さんこそお気を付けて。もう、私どもも介入出来ませんから」
「分かりました!!」
「それでは、お時間です」
「時間?」すると、急に眠気が襲って来た。
「数十年後、寿命を迎えられたら、また会えると良いですね」
菫と言う死神の女性の声を聞きながら、眠りに落ちて行った。
「うん?森か?」木に寄りかかった状態で柊は目を覚ました。無論慣れ親しんだ実家ではないことに改めて死んだことを実感した。
「とりあえず、武器だな。スキル武器創造!!」
頭の中に作れる武器のリストが浮かんできたので、自衛隊で慣れ親しんだ89式小銃を作成しようとしたが、Lvが足りず作成できないようであった。
仕方ないので知識の中から9mmパラベラム弾を使用するサブマシンガンを創造するといかにもなサブマシンガンが手の内に現れた。
創造した武器なので、2018年から取り、18式サブマシンガンと呼ぶことにした。
サブウェポンには、警察で使用していたエアウェイトの5発入りのリボルバーにした。
異世界に到着時、菫の最後のサービスか迷彩柄の戦闘服でタクティカルベストも着込んでいたことから、30発入りサブマシンガンのマガジン7本を作成し、1本を18式サブマシンガンに装着し、残りをベストに差し込んだ。
武器を作成中に気付いたが、武器創造にはポイント制限が有るらしく、1000ポイント近くあったポイントは武装後には半分近くになっていた。これからは、節約しつつポイントを稼ぐ方法を考えなければならない。
こうして柊の異世界生活が今、幕を開けたのだった。
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