198話 王都炎上 15
コロナ本当にいつまで続くんでしょうね?年末まで我慢かなぁ?
本日より予告通りに朝6時から投稿します。
王都ゲイボルグ王城内
マコト達は、多少の玉座の間への道のりを知っているマコトを先頭付近に城内を早足で進んでいた。
駆け足だと、400人もの半長靴の足音で聴覚が効かなくなり、アシュラ王国兵の待ち伏せを許す結果になりかねなかった。
時折、戦闘音が聞こえたり、廊下に生存者が居れば、そのたびに分隊を派遣していた為に今では、マコトの率いる部隊は350人程まで減っていた。
廊下の曲がり角を曲がると、そこでは30人程の兵士が敵味方入り乱れて剣による斬り合いを繰り広げていた。
城内に入ってからの初めての組織的な戦闘だ。
マコトは、部隊に来た廊下を戻させると、ハンドサインで音響手榴弾を使う合図をして、その合図が全部隊に伝わったのを確認すると、先頭の50名程に爆発後に突入することを伝えると曲がり角から顔を出して音響手榴弾を投擲した。
バン!!
「行け!行け!行け!」
マコトは団員達を押し出しながら、自らも率先して乱戦に飛び込んだ。
マコトの前には、ちょうど兜をすっぽり被ったアシュラ王国兵が居た。音響手榴弾の影響か、頭を振り剣を持った手で押さえて兜を脱ごうとしていた。
「オイ!!」
マコトは1mも離れていない、相手の死角から怒鳴った。
アシュラ王国兵は、その声が聞こえたのか振り向こうとしたが、マコトが19式7・62mm自動小銃の銃床で、兜を思い切り殴り付けた。
相手のアシュラ王国兵は悲鳴すら挙げることが出来ずに倒れた。
マコトの、その戦いぶりを見て団員達もアシュラ王国兵の兜の死角から銃床で殴り付けて行った。
緑色がかった鎧兜のアシュラ王国兵は、それで良かったが青色がかった鎧兜のゲシュタルト王国の近衛騎士にそんな真似は出来ないので、音響手榴弾の影響下に有る内に、2人がかりで両腕を抱えて戦闘場所から引き摺り出した。
その結果21人のアシュラ王国兵が床に横たわり、11人の近衛騎士を保護した。
床にはもう起き上がることの出来ない近衛騎士が3人とアシュラ王国兵が1人居た。
この場所ではアシュラ王国兵側が優勢だったようだ。
マコトは他の団員達も呼び寄せて床に倒れたアシュラ王国兵の生存確認と捕縛を指示して、兜を脱いで頭を振っている近衛騎士達の元へ向かった。
特に年配そうな近衛騎士にマコトは話し掛けた。
「自分はヒイラギ辺境伯だ!王国の危機を知り、領土より配下の手勢と共に駆け付けた。ハイマン国王陛下はご無事か?」
年配の近衛騎士は、何とか話しが聞き取れたようで、
「自分は近衛騎士団所属のランスロットと申します。あの奇妙な魔道具やはりヒイラギ辺境伯様でしたか。弟が以前、軍団、葬送曲に助けられたそうで、噂は色々と聞いております。ハイマン国王陛下は数十名の近衛騎士と近衛騎士団長と共に玉座の間にいらっしゃいます」
「そうか、城の守りは何名程居るのだ?侵入したアシュラ王国兵は?」
ランスロットと名乗った近衛騎士は答える。
「近衛騎士団が約400名、城門の守りやその他の衛兵が200名の総勢600名といったところでしょうか。敵は物見からの報告が1000人を超えたくらいから私達の所にも敵兵が押し寄せて来ましたので、それ以上は分かりませぬ」
「良し分かった。すまないが捕縛したアシュラ王国兵を城の中庭まで連行してくれないか?そこを臨時の拠点とする」
するとランスロットは慌てた様子で、
「それはなりません!!中庭にはワイバーンが降り立ち、近付くこちらの兵士を息吹き(ブレス)等で焼き払っていると聞きます!!」
と忠告して来た。
「何?重火器って何か持って来てたか?」
指令部要員の団員が駆け寄って来て、
「使い捨てのロケットランチャーが数本、後は爆薬が少々です」
報告を聞いたマコトは、
「ポイントも貯まってるしここで召喚しても良いが、近衛騎士団の目も有るしなぁ?取り敢えず、何名で偵察して来てくれるか?武器の創造召喚はそれからだ」
「「了解!!」」
数人の団員が近衛騎士の案内で中庭に偵察に向かった。
「中庭はある程度の広さが有るし、城の中心に有るから作戦的にも押さえておきたいな。しかし、空を飛ばず地上で火炎を吐くワイバーンか、ちょっとした戦車だな。武器は何が適切かな?」
戦場で物思いに耽るマコトに捕縛され、治療を受けたアシュラ王国兵や近衛騎士達は奇異の視線をマコトに向けるのであった。
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城の中に籠城した火を吐くワイバーン、どうやって倒しましょうか?ご意見募集します!!




