197話 王都炎上 14
コロナの感染拡大が止まらない今日この頃です。皆さん感染防止対策してますか?自分は会社の方針で県外への移動が制限されて、隣県の実家に帰ることが出来ません。これは今年中、マスク生活ですかね。とても暑いです。皆さんもコロナ、熱中症にお気を付け下さい。
王都ゲイボルグ 王城城門前
「城門だ~!城門が見えたぞ~!!」
総勢450名近くになり、鉄の戦象、20式重戦車3輌を引き連れた軍団にゲリラ攻撃を仕掛けるアシュラ王国や、イスマル皇国の残存兵は居なかった。
マコト達は、戦闘も無く王城の城門までたどり着いた。
「開門!!開門!!我らはヒイラギ辺境伯の率いる軍団、葬送曲だ!開門されたし!!」
声の大きな団員が叫び、拡声器まで使って呼び掛けたが城門が開くどこらか返事さえなかった。
「司令、これは一体?」
「これはどうやら、思ったよりも多くの敵兵に入り込まれて城門を守る兵士まで城の防衛に回したようだな」
マコトと、元臨時第2中隊隊長が会話を交わす。思っていたよりも城内は緊迫しているようだった。
「通信手!上空に待機中の空中戦艦比叡に通信、主砲にて城門を破壊せよ、以上」
「し、司令幾らなんでも、それは・・・・」
「下手をすると王城を攻撃した反逆者、国賊となってしまいます!!」
指令部要員の幹部達がマコトを止めようとする。
「では何か城内に入る方法の代案を提示せよ」
「どこかの広場に空中駆逐艦島風を下ろし、乗り込んで城内に降下可能な場所を探して・・・・・・」
「却下だ、そんな場所を探している時間は無い!!」
「空中艦隊の攻撃で城内の敵を殲滅・・・・」
「味方ごと撃つ気か?それに陣地制圧は歩兵にしかなし得ない」
「では・・・・」
「ええい、つべこべ五月蝿いぞ!!通信手、主砲発射を連絡せよ!他の者は衝撃波に備えて遮蔽物の陰に退避せよ!!急げ!!」
わぁ、とばかりに団員達が遮蔽物を求めて城門から離れる。次の瞬間、
ドン!!
空中戦艦比叡の127mm速射砲が発射され、城門に突き刺さる!
ドキャン!!?
城門が大きくへしゃげる。
「次弾撃て!」
ドン!!
続けて放たれた砲弾が、城門に突き刺さる!!
ガチャン!!ガラガラガラ!!
金属製の城門が枠から外れて、城内へと飛び込んでいく。
「ぎゃあああ!!」
「グハァ!!」
城門の飛んでいった方角から複数の断末魔が聞こえた。
「し、司令!?」
団員が不安そうにマコトに話し掛ける。
「突入口は開いた!!総員突入態勢!20式重戦車は先行して、橋頭堡を確保せよ!!」
しかし指令部要員の団員達は耳にしていた。断末魔が聞こえた際のマコトの
「あっ!!」
という一言を。
20式重戦車が重低音で唸りながら、城門内部に3輌が続けて突入するといきなり弓矢や手槍、魔法攻撃を受けた。
ゲシュタルト王国兵かと思ったが、潜望鏡で様子を確認すると、ゲシュタルト王国を示す青色がかった鎧兜では無く、緑色がかった鎧兜を装備した兵士がほとんどだった。
車長が、敵味方識別表で確認すると緑色がかった鎧兜はアシュラ王国兵を示していた。
敵兵と分かると、先頭の20式重戦車の車長はC4I機能により他の2輌と情報をデータリンクして、凡そ50名居たアシュラ王国兵に対して7・62mm同軸機銃で無駄のない射撃を実施して、城門内部に橋頭堡を築いた。
『こちら、鉄亀、城門内部の広場を制圧。アシュラ王国兵50名程を殲滅した』
『臨時第1大隊了解した。こちらも突入する』
破壊された城門から、歩兵たる団員達が突入して一帯の完全な制圧を計る。
「クリア!!」
「クリア!!」
「クリ・・敵!!」
タタタタタン!!タタタタタン!!
城壁に沿うようにして建てられていた建物から、数人のアシュラ王国兵が姿を表して、付近に居た団員に射殺された。
破壊され、吹き飛んだ城門を調べていた団員達がマコトのところに駆け寄って来た。
「司令、吹き飛んだ城門の下敷きになったのは全てアシュラ王国兵でした!!」
嬉しそうに報告する。中には指令部要員の団員も混じっていた彼女が他の団員にマコトが気にしていた事を教えたのだろう。
「そうか、分かった」
マコトは、城内に通じる通路を見張っている団員以外の団員を集めた。
「これより王城内部の敵兵を掃討する。また、相当数の味方が残っていると思われる。大胆かつ冷静に敵味方の区別をつけて胸の団章に恥じない結果を期待する。以上!!」
「総員、司令官殿に敬礼!!」
その場に居た団員が一子乱れぬ敬礼をした。
「では、総員、着剣!!・・・突入!!」
「「わぁ!!!」」
城門を守るべく、20式重戦車と50名程の団員が残り、400名の団員と共にマコトは王城内部へと突入した。
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