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196話 王都炎上 13

世間では4連休でコロナの感染拡大が心配されていますが、自分は2日の休みで休日出勤です。この機会に本作品のストックをと考えていたのに、その希望は無惨に打ち砕かれました。自転車操業なのでまとまった休みが欲しい~!!

 王都ゲイボルグ 王城内


 王城の中では、ワイバーンから降下して来たアシュラ王国兵とゲシュタルト王国近衛騎士団が、各所で血で血を洗う激戦を繰り広げていた。

 一部の竜騎士(ドラグーン)は地上援護とばかりにワイバーンに慣れない地上歩行をさせて、ゲシュタルト王国近衛騎士団の抵抗の激しい箇所に火球(ファイヤーボール)や、火炎放射(ブレス)を放っていた。






 ドス!!


 1人の近衛騎士が、アシュラ王国兵を鎧の隙間から剣を突き刺し倒した。正規軍同士の戦い、しかも、城内での戦いのような白兵戦闘で鉄製の剣で鉄の鎧の上から斬り倒すなどということは、よほどの製鉄技術の差がなければ難しかった。


 「ハア、ハア、侵入した敵はどのくらいだ?」


 側で、剣を杖のようにしてかろうじて立っている仲間の近衛騎士に問うた。


 「分からん!物見の報告が1000を超えた辺りで、この周辺にも敵兵が押し寄せて来たからな。軽装の兵が多く、正規の騎士が少ないのが救いだ」


 「あぁ、近衛騎士団は300、地の利が有るとはいえ3倍の敵は厳しい。この城内までは入り込んでいないが中庭の部隊はワイバーンとも交戦したらしい・・・」


 2人の近衛騎士が会話をしているとガチャガチャと金属が擦れる音と足音が近付いて来る。近衛騎士が持ち場を離れることは無い。伝令かとも思ったが足音は複数だ!なれば、もう消去法で敵しかない。

 近衛騎士達は顔を見合せて(ヘルム)の稼働部を下げると、近付く敵兵に備えた。


 


 マコト達、軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)の臨時第1中隊150名は王立高等学院を離れて、大通りを進軍中の臨時第2中隊との合流を目指して、貴族や豪商の豪邸の建ち並ぶ裕福な人々が暮らす第2城壁内の道を走っていた。

 通りは馬車がすれ違える程余裕の有る造りとなっていたが、所々にある細い道から、アシュラ王国の走竜が飛び出して来るものだから、その度に戦闘になり、足を止めなければならなかった。

 臨時第2中隊に襲いかかった、単独な攻撃と違いこちらは組織的に攻撃して来た。もしかすると、こちらが本隊でゲシュタルト王国の要人の拉致を狙って、何らかの方法で第2城門を越えて来たのかもしれなかった。


 「2時の方向、走竜8!!」


 「4時の方向、走竜7!!」


 一度に2ヶ所からの同時攻撃だ。何度目だろう?マコトは溜め息をつきながら、


 「各個に、至近の者が応戦せよ!!足は止めるな、歩行しながら射撃せよ!!」


 普通ならば動目標に、歩きながら射撃すれば命中率は下がるが相手は銃を知らないのか無視しているのか、密集態勢で真っ直ぐに槍を構えて突進して来た。

 後は、未来位置を予想して、そこに弾丸を叩き込めば良かった。

 走竜とその騎士達はバタバタと正確無比な団員達の射撃の前に屍を重ねていった。

 そんな事を何度も繰り返していると、緩やかな角を曲がったところで大通りが見えた。

 そんな大通りに微かに蠢くものが見えた。

 先頭を歩いていた、団員が符丁を叫ぶ。


 『魔女の巨釜!!』


 すると、大通り側から、


 『グツグツ煮込んだビーフシチュー!!』


 あらかじめ決められた合図の符丁だった。臨時第2中隊だ!

 合流すれば彼らは、先行偵察を行っていた30人程の小隊だった。

 無線機で連絡をすると20式重戦車3輌を引き連れた、臨時第2中隊の本隊が現れた。

 臨時第2中隊長と戦車小隊長がマコトの所にやって来ると簡単な戦況報告を行い同時に、


 「「司令の指揮下に復帰します!!」」


と言って、こめかみに拳を当てる葬送曲(レクイエム)式の敬礼をした。

 臨時第2中隊長は古参のエルフ、戦車小隊長は帝国からの帰化組の人種だったが2人共に市街地戦のプレッシャーに精神的に参っているようだった。

  マコトは19式7・62mm自動小銃を構えると、細い路地から顔を出した走竜と、その騎士の頭を撃ち抜いた。

 付近の団員達が路地に対して牽制の弾幕を張る。

 突然の発砲に驚いた顔の2人に、マコトは笑顔で、


 「さぁ、敵は選り取りみどりだ!!前へ!前へ!前へ!王城を目指すぞ!!」


と言って、20式重戦車の車体に飛び乗ると、補給車両を兼ねていた戦車の後部コンテナから弾薬が装填済みの弾倉を取り出して、空になった自分の弾倉と交換して行く。

 それを見て、臨時第1中隊の団員達も3輌の戦車に駆け寄り弾薬の補充をする。

 軽い負傷者や、担架で運ばれていた負傷者にエリクサーの小瓶が配られる。臨時第1中隊は学院内で白兵戦闘を行った者も少なくなくて、エリクサーのストックが切れていた。エリクサーを飲んだり、負傷部位に振り掛けた負傷者は、意気揚々と戦列に戻って行った。

 その様子に奮起したのか、2人の隊長も自分の持ち場に戻って行った。







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