192話 王都炎上 9
コロナ非常事態宣言が解除されたかと思ったら、東京でまた流行り出しましたね。早く終息して欲しいです。王都炎上ですが、もう少し続きます。市街地戦は厄介ですからね。引き続きお付き合い下さい。
王都ゲイボルグ市街地
「うぉぉぉ!!」
木造の家屋の同士の間の狭い通路から、数人のイスマル皇国兵が槍や剣を構えて大通りを進む軍団、葬送曲の隊列に突っ込んで来た。
『3時の方向、敵兵6対処せよ!』
『了解!!』
隊列の先頭を進む20式重戦車の砲塔が右側へと旋回し、7・62mm同軸機銃を発射する。
タタタタタタタタタタタタッ!!
5~6秒も銃声が響き渡ると、イスマル皇国兵は全て倒れ伏していた。
数人の団員が生存確認を行っている内にも隊列は先へと進む。竜騎士との空中戦を制して、空中から地上の様子を監視していた空中空母赤城所属の戦闘機が、第2外壁に有る第2城門に数千のイスマル皇国兵を見つけたのである。
「第1城門付近で溜まって居たのは第2陣で、城門を突破した第1陣は既に市街地を抜けていたのか」
「隊長!上空からの情報によると、第2城門を攻めていたイスマル皇国兵は約5000、大砲擬きも10門程装備している模様です。それと、気になる情報が・・・」
「何だ、言ってみろ!」
「敵は第2城門を攻めるのを止めて、こちらに対して陣形を組み直しているそうです。それと、数機の上空の戦闘機が地上を走る竜を見たと報告を・・・・・」
「馬鹿者!!それはアシュラ王国の走竜だ!野営地に居ないと思ったら市街地に入り込んでいたのか!!本来は平原を騎兵のように運用するものだが、強力な脚力を使って家屋をもよじ登ることの出来る市街地戦の悪魔だ!全部隊に連絡して地上だけでなく、家屋の屋根などにも気を付けるようにするんだ!!」
「り、了解!!」
タタタタン!!タタタタン!!
19式7・62mm自動小銃の銃声が鳴り響く!
「どうした!?」
「竜騎士です!建物の隙間から竜とそれに騎乗した騎士が見えました!!」
「もう来たのか!!戦車1輌に100人ずつ引っ付け!!互いに死角を補い、走竜を見付けたら120mm砲をお見舞いしろ!!」
「ち、中隊長。事前ブリーフィングでは走竜の数は約2000と有りました。いちいち戦車砲を使用していると弾切れを起こす可能性も・・・」
「本隊が、まだボンヤリと残っているはず無いだろう?残っているのは本隊を逃がす為の殿だ。居て100騎ってところだろう」
ドコ~ン!!!
隊列の真ん中、2輌目の戦車が主砲を発射する。大通りの脇の2階建ての木造家屋の屋根が吹き飛び、次の瞬間、家屋の瓦礫と共に血塗れの肉塊が降ってきた。
「まずは1騎、2号車の砲手には帰ったらビールを奢るって無線入れとけ。さあ、今から此処は深い森林のど真ん中だ、何処から獣が飛び出すか分からないぞ?」
エルフの中隊長の言葉に、エルフ、人間、獣人の団員達は今まで歩いていた両側に家屋が建ち並ぶ大通りを見渡して息を飲み、手にした小銃を握りしめた。
「大丈夫だ、竜と言っても空を飛ぶ本来の竜騎士の騎乗する竜よりも下位種で、お前達の持つ小銃の7・62mm弾でも十分効果は有るんだ!いつもの狩猟だと思えよ、森林から場所が市街地に変わっただけだ」
そう言って、中隊長は先頭の戦車の後方に小走りで向かったことから、他の団員達も後に続いた。
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