190話 王都炎上 7
Pv100万件突破は前回でも述べましたが本当にありがとうございます。応援して下さる皆様のおかげです。
コロナとその影響による社会の変化に負けず頑張っていきましょう。
王都ゲイボルグ 王立高等学院
「降下して来たゲシュタルト王国の犬共はたった200、こちらは600だ!3人一組で当たれば必ず勝てる!!数の力で押し潰せ!」
王立高等学院の古い歴史を感じさせる廊下を、武骨な鎧兜の集団が埋め尽くす。しかし、
タタタタタッ!タタタタタッ!タタタタタッ!
5・56mm軽機関銃のリズミカルな銃声が鳴り響くと、ガシャガシャと金属音を立てて、アシュラ王国の兵士達は薙ぎ倒される。
「敵は崩れたぞ!総員、着剣!一斉射に移る。指向敵集団!!撃て!!」
パン!パパパパパパン!!
19式7・62mm自動小銃の銃声が指揮官の発砲の後に続け様に鳴り響いた。
5・56mm軽機関銃の弾丸の顋を逃れて、ドミノ倒しになっていた中からようやく立ち上がったアシュラ王国の兵士達を今度は7・62mm弾が襲った。
その廊下だけで100人は居たアシュラ王国の兵士達は、そのほとんどが倒れ伏した。
しかし、対するヒイラギ辺境伯の有する軍団、葬送曲の団員は20名程で負傷者は0だった。
「生き残りが居ないか確実に確認を行え、後ろから刺されるぞ」
エルフの指揮官は、率先してアシュラ王国兵士の死体をひっくり返して、関節部分など鎧の隙間から銃剣で刺して生死を確認していった。
総員で確認作業を行い10分程で8人が生き残っているのを見付けたが、2人は致命傷だった為、頭に7・62mm弾をお見舞いして楽にさせた。
指揮官は万が一の為に世界樹の雫を携帯していたが、使う必要性は見出だせなかった。
残り6人を後ろ手に縛りあげると、分隊は学院内のクリアリングを再開した。
『こちらは臨時第1小隊第5分隊、アシュラ王国兵士約100名を処理、6名を確保して拘束した後廊下に放置、どうぞ!』
『臨時第1中隊長了解、引き続き敵兵の掃討にあたれ』
『臨時第1小隊第5分隊了解!』
『こちらは臨時第2小隊第4分隊、取り残された学院の教師1、生徒6を発見した。保護して教室に簡易陣地を構築して安全確保まで待機する』
『臨時第1中隊長、了解した。負傷者は居ないか?』
『1人逃げる途中で捻挫した模様、衛生兵が魔法で回復中、アウト』
『こちらは臨時第1小隊第、ドン!!ええい、手榴弾はまだ使うなと言っただろうが!第3分隊、アシュラ王国兵士約200と交戦中、2階に陣取り効果的な攻撃が行えない』
『こちらは臨時第2小隊第2分隊ただいま2階に居るが戦闘音が聞こえた。挟撃する』
『頼む、臨時第1小隊第3分隊、アウト』
『こちらは臨時第1中隊長マコトだ。生徒達の立て籠る大広間に到着した。学院内のクリアリングの完了まで出入り口を守備する戦力は臨時第1小隊第1、2分隊だ』
『司令、愛しのミナサリア嬢に挨拶しなくて良いんですか?』
『そうそう、司令の事を今か今かと待ち構えていますよ?』
『今の通信は聞かなかったことにしてやる、きびきび動け!!』
『『ええ~!?』』
『お前達がいらない旗を立てたから敵さんのお出ましだ。約200アシュラ王国軍の本隊だな。攻撃開始!!』
王立高等学院内 大広間
「どうだ?何か見えるか?」
生徒達は出入り口をバリケードで封鎖した為に、廊下と大広間を結ぶ空調用の小窓から外の様子を探ろうとしていた。
「すげぇぞ!!200人を超えるアシュラ王国の兵士達を50人近くの緑色のまだら模様の服を着た杖を持った魔法使い達が一方的に倒している!!」
「マジかよ?ちょっと変われよ!」
「今、良いところなんだ!邪魔するな」
遂には、男子生徒同士で喧嘩を始めてしまった。
「見苦しいですよ、貴方達。外では軍団、葬送曲の団員達が命懸けで私達の為に戦っているというのに」
そう言って喧嘩の仲裁に入ったのは、ミナサリア嬢だった。
「嗚呼、それと彼らは本職の魔法使いではありません。杖に見えたのは小銃、彼らの主力武器ですわ」
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