183話 ラブレター 3
コロナ、コロナ、コロナ毎日ニュースのほとんどがコロナ関係です。早く終息してくれませんかね。いつも買い物に行っているデパートがコロナの影響で店舗の半分近くが閉まっていて、本屋さんまで閉まっていて絶望しました。GW中は続くみたいです。
マコトの2年間の領地改革は大規模に渡った。
領地内の市町村は、アスファルト舗装された道で繋がり1日に1本は路線バスならぬ、武装した兵士を載せた路線トラックが巡り人や物資を循環させた。
飛行戦艦も1番艦比叡に続き、金剛、長門が竣工し、飛行空母赤城、飛行駆逐艦、綾波、雷、睦月の順次竣工した。
睦月は、世界樹の防衛の為に新しく作られた街、オールドフォレスト(古き森)の上空で緊急時を除き待機することになる。
よって戦力として、数えることが出来るのは、飛行戦艦3隻、飛行空母1隻、飛行駆逐艦3隻となる。
魔物氾濫の際に得られた魔石はまだあったが、所詮ゲシュタルト王国の一貴族に過ぎないヒイラギ辺境伯家が余り過剰な戦力を保有し過ぎるといらない嫌疑をかけられると自重した。
理由は、それだけではなかったが・・・。
イスマル皇国から奪った港街とシーサイドの街も順調に要塞化が進み、海賊に追われている船、難破した船が救援を求めて入港して来たり、ヒイラギ辺境伯領で得られる香辛料や貴金属を求めて入港して来る船も多く、活気に満ちていた。
食料品も旧アレフガルド王国の穀物地帯を押さえている為に、心配無く、食肉も森の豊かな恵みを冒険者や、軍団の団員達が軍事演習と称して大量に狩って来るものだから不自由することが無い。
逆に街の市場には、ヒイラギ辺境伯家所有の冷蔵庫を搭載した保冷船が南国等から運んで来た、珍しい果物や香辛料、新鮮な魚介類が溢れていた。
その恩恵は先にも述べた、路線トラックで市町村にまで行き渡り、ヒイラギ辺境伯領では、地領では見られないほど活気に満ちていた。
そんな、ヒイラギ辺境伯領を治めるマコトは領都ノースガルドで書類の山を前に頭を抱えていた。
書類の中身は、どこそこの村にゴブリンの群れが現れた、軍団の団員を向かわせることを承認。
移民が増え過ぎて、街の用地が足りない。軍団の土魔法を使える団員の派遣と労働者を雇う予算を承認して解決。
3ヶ国連合の各国から、旧アマゾニア王国の領土を買い取らないかという打診。
これは以前から度々ある申し出で、ゾンビ化して討伐した各国の兵士達の遺体や遺品を無償で返還したことから、旧アマゾニア王国領土の統治に不安を抱き始めた3ヶ国連合の各国が領土の割譲を申し入れ出したことから、マコトは以前からダークエルフの諜報部隊を使って集めていた、毒の沼、死の沼、死の谷等と呼ばれている土地ならば購入すると打診した。
すると、各国はこぞって、それらの土地をマコトに売り払った、通常の土地と同価値で・・・。
マコトは交渉すること無くそれらの土地を言い値で買い取った。
勿論、話しには裏がある。
それらの土地は、原油や天然ガスが露出している土地で、マコトは以前からそのような土地を探していたが、領土内には見付からず、お隣の旧アマゾニア王国領内で、そのような土地の噂があると諜報部隊が調べて報告を上げて来た時は、歯をくいしばって悔しがったモノだった。
3ヶ国連合の各国にそれらの土地の本当の価値が分かる筈も無く、ヒイラギ辺境伯家はどんな土地でも、その豊富な資金で買い取ってくれるという誤った認識が広まり、今もこうして領土割譲の申し出がやって来るのだ。
確保した油田や天然ガス採掘場から得られた資源で道路はアスファルト舗装に、軍用携行食をビニールで包んだり、軍用車両の燃料をスキル、異世界マーケットで仕入れる必要も無くなり、財布にも優しく、火力発電所を建設して、未だに都市部に限ってでは有るが電気が通るようになり、深夜になっても都市の一部は明るいままの場所も出てくるようになった。
数々の政策は上手く行き、ヒイラギ辺境伯領は世界でも技術的に最も発展した領地と言えるだろう。
マコトの前に山になっている書類もほとんどがマコトの決算を受けるだけのモノばかりで、ほぼ処理を終えていた。
たった一通の手紙を除いて。
それは、ミナサリア・フォン・アレグリア侯爵令嬢からの手紙だった。
以前の失敗から、月に1回の手紙を出すようにして、その倍の返信が来るということを繰り返していた日々だったが、遂にミナサリア嬢が王都の貴族の専用学校を卒業して、その卒業旅行でヒイラギ辺境伯領を友人数名と訪れるというのだ。
結婚に関しては触れられていなかったが、これは、彼女なりの攻勢で有力貴族の令嬢達に婚約者たるマコトを紹介して、外堀を埋めるつもりなのであろう。
手紙にはアレグリア侯爵からの許可は下りている旨が記されており、アレグリア侯爵に頼ることも出来ない。
マコト、人生の墓場までのカウントダウンが始まった。
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