182話 領地改革 12
新型コロナによる緊急事態宣言が全国を対象に出てしまい家族にも気軽に会いにいけなくなりました。おのれ、新型コロナ!!早く終息して家族と会いたいです。
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旧アマゾニア王国と旧アレフガルド王国の国境地帯に於ける魔物氾濫は一旦の終息をみた。
マコトは領都ノースガルドに帰還すると、抜本的な軍事政策の転換を始めた。
まずは、全ての奴隷兵士の解放である。
軍団、葬送曲の主力を占めていた旧アレフガルド王国出身の戦争犯罪奴隷であったエルフ達、少数のドワーフ達を奴隷身分から解放した。
その後、希望者を再度、軍団の団員として再採用したが、その際に奴隷紋を応用した軍事機密を守らせる為の紋章を全員に施すことを説明した。
勿論、再採用に応じずに軍団を去る者にも機密保持の為の紋章は施される。
結論から言えば、実に9割強の人員が軍団に残り、1割弱も負傷や病気によるものであったことから、世界樹の雫で癒やせる者は治して後方勤務として再採用される者がほとんどであった。
次に大規模な軍団の団員の募集を行った。
今回募集したのは、葬送曲の2次組織、突撃の募集であったが、人材は人種、エルフ、ドワーフ、獣人を問わずに行った。勿論、人を喰らう獣人種は除き、耳や尻尾の特徴しか持たない獣人のみであったが。
獣が二足歩行しているような旧アマゾニア王国人のような獣人は先の戦で絶滅危惧種になるほど激減して、今では人里には姿を現さない。
この大規模な募集で約8000人が新たにマコトの率いる軍団の一員となった。
これで、マコトの率いる戦闘員は約1万と3倍近くなったが、全員が戦闘員に為れる訳でも無く、後方支援要員になる者や、新兵教育も行わねば使いモノにならないが。
その次に行ったのが、装備品の更新であった。
今までは、突撃の主力はボルトアクションライフルであったが、それらは、地方の衛兵隊や地域派遣の武官の武装として払い下げられ、葬送曲の団員も使っている19式7・62mm自動小銃に切り替えられて大幅な火力向上が為された。
勿論、新規採用の団員達にも機密保持の為の紋章は施されている。
歩兵装備品だけで無く、ティガーIは予備役とされ、新型の120mm滑空砲を主砲とした。近代的戦車に機種転換されて2個有る戦車大隊の戦車兵達は毎日習熟訓練を行っている。
また、魔物氾濫で多くの魔石を手に入れたことから、飛行戦艦を2隻、飛行空母を1隻、飛行駆逐艦3隻をスキル、兵器創造で建造中である。
飛行空母に搭載する、ジェット戦闘機や航空ヘリのパイロットの育成も鉱山都市ドリンドル郊外の航空基地を拡張して実施中である。
その他に120mm重迫撃砲小隊を中隊に増強したり、155mm榴弾砲小隊を大隊に増強したりと大忙しである。
その他にも、大規模な移民の募集を行ったりもした。マコトは辺境伯となり治める領地も小国並みになっている。しかも、世界樹なぞ見つけたことから、そこを守らせる為には世界樹を神聖視しているエルフが適任だが、領内から募集すると募集が殺到し過ぎて今ある集落が維持出来なくなる恐れがあった為に内密にエルフを他領から集める必要があった。またエルフだけで固めると世界樹を神輿に新たな国を作られても困る為にある程度の人種も混ぜる必要があった。
この時点で、マコトは世界樹を世間から隠しておけないと判断して、新規建造される飛行駆逐艦1隻を世界樹の警護の為に張り付けておくつもりであった。
これらの政策には、どうしても予算が大量に必要になる。
治める領地からの税収だけではとても足りない。そこで、マコトは切り札を切った。
鉱山都市ドリンドルの鉱山から採掘されて大量に保管されていた銀のインゴットに、鉱山内部で発見された鉱石のゴーレムの出現するダンジョンから採取された金銀、ミスリルのインゴットを放出した。
それでも、不安があった為にマコトはスキル、異世界マーケットを使い、胡椒を始めたとした香辛料、砂糖等を大量に購入して、港町シーサイドを通じて国内外の貴族や豪商達に高値で売り払った。
飛行駆逐艦島風と、オハナシで軍団、海賊の私掠船になった海賊達によって沈静化しつつあったフリーの海賊達が再び活発化し始めるというアクシデントはあったが海賊の私掠船を内燃機関付きの高速船に切り替えることによって帆や櫂による推進機関しか持たない中世の海賊達は次々に姿を消すことになった。
これらの大規模な政策が形になるまで、2年の月日を要した。
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