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181話 領地改革 11

1週間振りです。護國鬼です。この1週間で世間は一変しましたね。緊急事態宣言が出されましたし、そのせいで自分は対象エリア外なのに会社から県外への外出禁止令が出されました。これって基本的人権の行動の自由?に反しているのでは?と思いつつ従ってます。早く終息すると良いですね。

 死霊高位魔術師(デスリッチ)を討伐した後から、ゾンビ達不死者の統率が乱れ出した。

 酷いモノになると、大型の魔物のゾンビが小型のゾンビ達を踏み潰してマコト達に向かって来た。

 今までは大型のゾンビは後方に待機しており、前線のゾンビが少なくなると、前進して来るといった感じであった。

 もしかすると、あの死霊高位魔術師(デスリッチ)死霊術師(ネクロマンサー)だったのかもしれなかった。

 


 援軍の到着を待っての防衛戦3日目の午後4時。

 ゾンビや、スケルトンといった魔物達の攻勢が始まって2時間、終わりはまだまだ見えそうになかった。

 統率が無くなったと言っても、そこは不死者の大群だ。

 生きとし生ける者達を自分達の同胞に堕としめんと、次から次へと押し寄せて来る。

 夜のとばりが訪れんとしていた。

 空も段々と薄暗くなって来ていた。

 

 「84mm無反動砲用意!!弾種、照明弾。撃て!!」


 夜のとばりを追い払わんと科学の利器で応戦する。

 薄闇に紛れて接近しようとしていた一群を照らし出す。


 「撃ち方、始め!!」


 5・56mm弾、7・62mm弾、12・7mm弾、果ては84mm無反動砲の砲弾が不死者の群れに吸い込まれて行く。

 昼間より動きが活発化しているようだ、当たり前だ夜こそ彼らの活動時間なのだから。昼間に群れで行動しているのが、そもそも異常なのだから。

 死霊術師(ネクロマンサー)とおぼしき死霊高位魔術師(デスリッチ)は倒したが、その命令は生きているようで、粛々とマコト達の塹壕陣地へと押し寄せて来る。

 また、長い夜が始まる。


 夜中の2時、2交代制の休憩が終わり、僅かな仮眠を取った葬送曲(レクイエム)の団員達が今まで応戦していた団員達と入れ替わろうと塹壕陣地に入りかけたところだった。


 「接敵!!ライガー種とタイガー種のゾンビです。速い!」


 200を優に越える快速型のゾンビ達が塹壕陣地に迫りつつあった。

 大型種や、鈍重なゾンビや、スケルトンに目が慣れていた団員達には快速型の登場は想定外だった、しかも数もそこそこ居る。

 休憩に入る筈だった団員達も残って応戦した。

 照明弾が、84mm無反動砲や、120mm重迫撃砲から次々と撃ち出されて辺り一面は昼間のように照らし出された。


 「嘘だろう!?」


 5・56mm軽機関銃を撃ち続けていたエルフの機関銃手が呟く。

 快速型のゾンビの後から地平線を埋め尽くすかのようなゾンビや、スケルトンといった不死者の大群が出現していた。

 大型種も居れば、獣人、人種、魔物、今まで倒して来た全ての種類の不死者がそこには居た。

 勿論、倒した不死者達は戦闘の合間を縫ってマコトやアイテムボックス持ちの団員が換金出来そうなモノは回収して、どうにもならないモノはアレフガルド王国戦でも活躍した火炎放射器で焼き払って有る。

 だから、今まで倒した不死者が再び蘇るといったことはあり得ないのだが、そう思わせるに充分な数がそこには居た。


 「お~、お~、奴ら遂に総力戦にでたか!!」


 マコトは、塹壕陣地から頭を出して、敵陣を見渡して、そう言った。


 「司令官、我々は勝てるのでありますか!?」


 人種の団員が半ばパニックになりながら、マコトに問う。

 マコトはニヤリと笑うと、


 「諸君!待ちに待った4日目だ。援軍が到着したぞ!!」


 次の瞬間、


 ヒュルル~、ヒュルル~、重い物がいくつも落下して行く音が響く。

 ドカン!ドカン!ドカン!


 敵陣に火の手が上がる。


 「アレは飛行戦艦比叡の高高度爆撃!!」


 「見ろ!!1ヶ所だけじゃない、あちらでも、爆撃が、飛行駆逐艦島風だ!!」


 「海岸線で海賊対策に当たっていたんじゃないのか?」


 地上からいくつもの火線が伸びて、敵の大群の中で炸裂する。


 「第501重戦車大隊だ!!」


 ティガーIが、不死者を無限軌道で踏み潰して行きながら、車上に乗った歩兵達が残った不死者達を掃討して行く。


 シュパ!シュパ!シュパ!


 ハイドラロケット弾で多機能戦闘ヘリ、バイパー4機が快速型のゾンビを吹き飛ばして行く。

 ロケット弾を撃ち尽くせば、ミニガンで地上を掃射して行く。

 アレだけ居た、不死者の大群が見る間に蹴散らされて行った。

 マコトは、塹壕陣地から這い出ると、陣地内の残った団員達に対して、


 「どうだ?我々は生き残ったぞ?」


と不敵な笑みを浮かべて宣言した。






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