178話 領地改革 8
1週間振りです。護國鬼です。新型コロナの影響は収まりつつあると言いますが、学校の休校は続いている場所が多いみたいですね。ウチの家族の子供も家に居るのが可哀想なのでゲーム機をプレゼントしましたが、熱中し過ぎて心配ですが。
世界樹の若木を見付けてからは、コカトリス、バジリスク、ポイズントード、ゾンビ、大百足といった状態異常を引き起こす魔物が増えて軍団、葬送曲を苦しめた。
特にゾンビと大百足には、手こずらされた。
ゾンビは、元アマゾニア王国人である獣人が多くて、人種が素となったゾンビよりも素早い動きで塹壕陣地に肉薄して来た。
頭を吹き飛ばす以外に倒す方法は無かったのだが、塹壕陣地前に設置した鉄条網に世界樹の泉の水をかけると、そこで苦しむように動きを止めた為に、一斉に攻撃して倒した。
この世界のゾンビは、埋葬されずに放置された遺体等に邪妖精が取り付き発生する。
その後は、生あるもの、特に生きた人間等に襲いかかり、その手にかかって命を落とした者もまたゾンビと化す。
また、ゾンビはその特性上、病気の媒介する運搬者になることでも知られており、遺体を埋葬する際、ゾンビに襲われた際の応急処置として、教会の司祭による祈りか、聖水が必要とされていた。
どちらも有料で、高いお布施を必要としたが、世界樹の泉の水はその両方に効果的であり、更に治療の効果まであった。
教会に知られれば、神の奇跡として独占されるか、邪悪なるものとして抹消対象になることだろう。
幸いなことに場所がマコトの治める旧アレフガルド領である為に教会の力は弱く住民であるエルフ達は世界樹の存在を知れば命懸けで守ろうとするだろう。
大百足は地面を這いよるように近付いて来る為に、銃がなかなか効果を挙げることが出来なかった。
最後は、飛行戦艦比叡の艦砲射撃により地面ごと吹き飛ばし、残った大百足の群れは手榴弾や、7・62mm自動小銃に装着した20mmグレネードで
まとめて吹き飛ばした。
ゾンビは塹壕陣地に入られる前に殲滅できたが、大百足は数匹に入り込まれてしまい、団員達が銃剣を装着した7・62mm自動小銃で白兵戦を行い数人の負傷者が出てしまった。
全員が毒の症状を訴えており、マコトは全員に世界樹の泉の水を安全確認の簡易キットで確認した後に負傷者に飲ませた。
世界樹の泉の水の効果は凄まじく、石化異常と同様に蒸気のような煙が上がって毒の状態異常は回復した。
そうした今までに無い状態異常の攻撃を行う魔物が増えて来る中、2日間が過ぎた。
今までに、アーマードスタンプボア級の魔石を6個、昨日現れて世界樹の泉の水の総攻撃で浄化されたドラゴンゾンビからは、火龍アームド級の魔石が1個回収することが出来た。
増援の到着まで後1日、世界樹の泉の存在は軍団、葬送曲の団員にとって欠かすことの出来ないものとなっていた。
特殊な魔物の存在にも慣れ始めた旧アレフガルド王国と旧アマゾニア王国の国境防衛戦が始まって3日目、戦線に動きがあった。
「武装した一団が近付いて来ます!!」
マコトは、聞いた。
「旗印は見えるか?」
「ええっと、アレはハリマ帝国ですね、他にも3ヶ国の紋章が見えます・・?」
「4ヶ国連合か、今更魔物討伐にお出ましか?」
「いえ!一団の後方にドラゴンゾンビ3匹、他多数のゾンビの群れを確認、敵襲です!!」
「何だと!?4ヶ国連合の兵士達は?」
「既にゾンビ化している模様、動きが生者のものではありません!!」
「何て事だ・・・。見えるだけで1万は居るぞ、それだけの兵がゾンビ化するなど旧アマゾニア王国の統治は大丈夫なのか?」
「司令!そのようなことよりも目前の敵です!」
「ウム、しかし仮にも国の旗印を掲げた軍勢だ。攻撃は相手の攻撃を待ってからにしたい」
「そんな悠長なことを!!相手は死者の軍勢ですよ!」
「少しは生者も居るみたいだぞ。馬が数騎駆けて来る」
「???」
「攻撃は彼らの話しを聞いてからでも遅くは有るまい?」
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