175話 領地改革 5
最近土曜日のPvが伸び悩んでいます。土曜日、日曜日の連続投稿ではなく、平日に土曜日分を移すか、日曜日一本に絞るか悩んでいます。
グラントシーサーペントと飛行駆逐艦島風の戦闘の間にこそこそと逃げ出そうとしている影があった。
言わずと知れた海賊達である。
海賊船を捨て、連絡艇を海上に下ろして逃げ出す算段を付けていた。
それを見逃す島風ではない。
ドン!!
76mm砲が連絡艇群の至近に着弾し、ひっくり返った連絡艇もいた。
『海賊共、逃げられるなどと思うなよ?』
飛行駆逐艦島風から、スピーカーで海賊達に警告が発せられる。
それで海賊達は観念して皆うなだれた。
大型輸送船が戦闘海域に到着して、グラントシーサーペントの死骸の曳航の準備と
投降した海賊達の捕縛が行われていった。
それに無傷で拿捕した海賊船のマコトの有する港までの搬送の段取りも行わなければならなかった。
ここで、飛行駆逐艦島風の艦長は思い切った方策を取った。
何と捕縛した海賊の一部を解放して海賊船を操船させたのだ。
「海賊団アマノス、元はアマノス海運商会が母体となった海賊で間違いないな?」
島風の艦長が捕らえられた海賊船の船長に質問をする。
「あぁ、そうだ・・・」
海賊船の船長、キケロ・アマノスが返事をする。
「商っていた南方からの香辛料を積んだ船団が嵐により壊滅、商売が成り立たなくなり残っていた商船を使い海賊になった。間違いないな?」
キケロ・アマノスはふてくされたように、答える。
「えぇ、えぇ、お偉い軍人様の言う通りですよ。良くそこまで調べたもんだ」
構わず、艦長は続ける。
「客船や、輸送船を狙い積み荷の強奪や人質の身代金で生計を立てる。その際も無用な殺生は避けると・・・・」
キケロ・アマノスは言う、
「生業は変わったと言っても、俺は商人だ。利益にならねぇ殺しはしねぇよ!」
「そのわりには、最近は派手にやっていたみたいだな?」
艦長が尋ねると、キケロ・アマノスは喉を詰まらし、やがて吐き出した。
「最近から一緒に組み出した船、アンタ等に沈められたクロコダイル海賊団、アイツ等は軍人崩れで敵、獲物の事だがに容赦しなくてな。俺達もうんざり来ていたところだった」
それを聞くと、島風の艦長は頷くと、
「良し、我々の調査通りだな。アマノス船長、貴方に船を返還しよう」
「「ええええっ!?」」
海賊船の乗組員達が皆、驚きの声を出す。
艦長は続ける。
「ただし、全員犯罪奴隷落ちとなる。これ以上の処置はヒイラギ辺境伯でも無理だ。そして、諸君等にはヒイラギ辺境伯直属の私掠船となり海賊を狩ってもらう。勿論、武力援助も有る」
島風の艦長が振り向くと、数人のエルフの団員が84mm無反動砲カールグスタフを担いで現れた。
「彼らが連絡役兼強力な援軍だ。彼らの一撃は上手くすると武装船を一発で沈める」
海賊達があんぐりと口を開けて、呆けていると、島風の艦長は大きな声で
「奴隷紋の処置が終わり次第に君達は、軍団、海賊の一員となる!!気を引き締めてかかれ!!」
やっと状態が飲み込めた海賊達は、
「「オオオオッ!!!」」
気勢を挙げた。
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