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173話 領地改革 3

なんとか書けました。今日1日休んで、明日からはまた仕事です。自分はましな方ですが、同僚には時間外が月に80時間超えがゴロゴロ居ます。ブラックです。

 マコトの改革は、地上にとどまらなかった。海運業や造船業にも積極的に関わり、海路を切り開いて行った。

 しかし、ここでも改革を阻もうとするモノ達が居た。


 「ヒャッホー!!あの旗印は最近景気の良いヒイラギ辺境伯領の船だ!てめえら逃がすんじゃねぇぞ!!」


 代表格が海賊である。

 この時代、漁師が食うに困って海賊行為を行うレベルから、商人が船ごと海賊になる場合、国の指揮系統から外れた海軍の軍船まで様々なケースの海賊が居た。

 今回、ヒイラギ辺境伯領の船に狙いを定めたのは、商人が海賊に堕ちたケースの模様だ。

 船首には、商業を司る女神像が設置されている。しかし、掲げる旗印はジョリー・ロジャー、海賊旗である。

 そんな海賊船が2隻、ヒイラギ辺境伯領の旗を掲げた大型の輸送船を挟み込むようにして追い掛けている。

 船体が海賊船の方が小さい為に速度が出ているようだ、遠からず大型輸送船は海賊船に捕捉されてしまうだろう。


 「今、景気の良い辺境伯の所有する船だ。積み荷は領有する港街への物資か、はたまた、外国との交易品か?いずれにせよ、あの船の沈み具合から見て積み荷は満載の筈だ。そんな船が護衛も付けずに単独行動、俺達にも運が向いて来たか?」


 海賊船の船長である元商人は、そんな皮算用を始めていた。しかし、マストの見張り台から声が挙がる。


 「11時の方角の海中に大型の影!!」


 その報告を聞いた海賊船の船長がまず思い描いたのは、船乗りの天敵、魔獣クラーケンだった。


 「クソ!こんな時に間が悪い!面舵、逃げるぞ!僚艦にも伝えろ」


 海賊船の船長は船脚(ふなあし)の遅い輸送船を囮にして逃げ出すつもりだった。

 しかし、次の見張り台からの報告で目を疑う。


 「海中の影、浮上!!(ふね)です。とてつもなく大きな(ふね)です!!」


 その報告の通り、大海原を引き裂いて海中から姿を現したのは、全長100mを超える艦、飛行駆逐艦島風だった。

 海賊船の船長は、その様子をしっかりと目に焼き付けていた。

 それと同時に気付いていた、艦体の側面に描かれているのは、輸送船に掲げられており、ヒイラギ辺境伯家の家紋であり、軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)の団旗である日章旗のマークであることに。


 「ヒイラギ辺境伯家の戦闘艦!!まさか、海中を進めるとは!!」


 そう、飛行駆逐艦という名に惑わされがちだが、流石は科学と魔法の融合物。

 空中だけで無く、海中も航行出来たのだ。


 「面舵、そのまま!ずらかるぞ!!」


 海賊は、捕まれば船長達、幹部は縛り首、乗組員は犯罪奴隷とされる。


 「僚艦、追随しません!!」


 もう1隻の海賊船の船長は、逃げることよりも戦うことを選んだようだ。

 海賊船の船長は即座に仲間を見捨てた。


 「帆を張れ!全力でこの海域を離れるぞ!!」


 戦うことを選んだ海賊船からは蛮声が挙がる。今頃はバリスタ等の対空兵器を準備していることだろう。

 しかし、海賊船の船長は、その行為が酷く(むな)しく思えた。


 ドン!!


 飛行駆逐艦島風の艦底部分の76mm主砲が火を吹く。

 木造船の海賊船は、一撃で船底に大穴が空き、沈み出した。

 慌てて海に飛び込んで行く海賊達を、輸送船の乗組員達が捕縛していた。

 海賊船の船長は、先程まで仲間だった僚艦の呆気ない最後に、自分達が逃げる時間も稼げないのか、という怒りと同時に海賊船を一撃で屠る辺境伯家の戦闘力に恐怖を抱いていた。

 彼らに出来ることは、一刻も早くこの海域から逃げ出すことだけだった。





 

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― 新着の感想 ―
[一言] さすが、日本の誇る駆逐艦島風、日本製(?)なだけあって色んな機能が盛り込んである
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