171話 領地改革 1
最近は執筆に取れる時間が、少なくなりアイデアは浮かんで来るのですが、それを中々作品に生かすことが出来なく歯がゆい時期です。
イスマル皇国との和平交渉は終始、ゲシュタルト王国有利に進んだ。
1つ問題点を挙げるとすれば、イスマル皇国内に留まった貴族、ハイネマン伯爵とサルマン伯爵が、イスマル皇国の追撃部隊の後続部隊、数は2万程だったが引き連れていた部隊の大半はマコトと共に帰還してしまったし、残った兵士達も士気が駄々下がりで脱走者が相次いでおり、数は8千程までに減ってしまっていた。
そこで、一戦交えて撤退に徹すれば良かったのだろうが、略奪品等に固執した両伯爵は自分達の財産を保証するならば、と降伏してしまったのだ。
そのおかげで、ゲシュタルト王国の交渉団はイスマル皇国から両伯爵とその配下8千と略奪品を取り返す為に、大きな譲歩を迫られることとなった。
具体的には、港街1つの無償でのイスマル皇国への返還と、賠償金の減額である。
攻め込んだのは、ゲシュタルト王国だが勝ったのはゲシュタルト王国なのでイスマル皇国から賠償金が取れるのであるが、両伯爵のせいでその額が減ってしまった。
和平交渉後、ゲシュタルト王国は帰還した両伯爵に和平交渉でゲシュタルト王国が両伯爵のせいで被った損害を補てんするように迫ったが、両伯爵は自分達はゲシュタルト王国の命令で出兵したのであって、それに掛かる費用は全てゲシュタルト王国が持つべきだと主張した。
ならばと、イスマル皇国から略奪した品、金品の他に家畜や奴隷も含まれていたがその税をゲシュタルト王国に納めるように要請したが、これらは自分達が獲得すべき当然の戦果であって、税の対象にはならないと、これまた主張した。
ゲシュタルト王国首脳部は強行策に出ようとしたが、門閥貴族達が結集してこれに反発した。
強行策を無理にでも強行すれば、内乱に発展しかねなかった為にゲシュタルト王国首脳部は、要請を取り下げたが、ゲシュタルト王国国内に火種を残す結果となった。
マコトは、そんなゲシュタルト王国首脳部の悩みを他所に、イスマル皇国の港街2つと軍港1つを和平交渉後、正式に譲渡させると、施設部隊を大量に送り込み、また、イスマル皇国の労働者をも大量に雇用して、3つの街の要塞化に取り組んだ。
また、それぞれの港の掘削も行い、水深を深くして、より多くの大きな大量の船が入港できるように護岸工事も行った。
それと平行して、鉱山都市ドリンドル、元アレフガルド王国領のマコトの領地ノースガルド、港街シーサイドを繋ぐ大規模な舗装された道路の開通に着手した。
石油の油田がまだ見つかっておらず、スキル、兵器創造や異世界マーケットで購入するには、アスファルトはコストがかかり過ぎることから、セメントに火山灰等を混ぜ込んだローマン・コンクリート擬きのようなものを大量に作成して道路工事に取り組んで行った。
他の貴族の領地を跨ぐこともしばしばあったが、いずれ王都ゲイボルグまで続く道になると聞くと多くの貴族が道路の開通に賛成した。
渋る貴族も多少の金品を積めば黙り込んだ。
何と言っても道は物流の基本である。それをタダで通してくれるというのだから、否応もないだろう。
手が掛かりすぎる為に、私的な道路の開通を要求して来た貴族はバッサリと切り捨てた。
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作品中にローマン・コンクリートと書きましたが、失われた技術だそうなので、ボカして書きました。より詳しい情報をお持ちの方は感想等で教えて頂ければ幸いです。