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167話 開戦 6

なんとか書き上げました。ストックが無いと言うのは厳しいですね。最近はいろんな人の目線から話しが進んで行きます。ご意見など有りましたら感想にてお願いします。

 軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)第501戦車大隊、第502戦車大隊。



 「ケーニッヒ少佐、ゲシュタルト王国軍との合流予定地点まで後1時間程ですが、飛行艦隊は敵の追撃部隊と交戦中の模様です。どうします?」


 ケーニッヒ少佐が元ハリマ帝国親衛隊、戦車第2小隊第1分隊長だった頃からの通信手だった男が尋ねて来る。


 「どうしますも何も、艦隊が動けないなら俺達で遠征軍の馬鹿共から仲間を奪い返すしか無いだろう!」


 「無理矢理に出撃して来て、まさかこんな見せ場が回って来るなんてケーニッヒ少佐にはオーディーンの加護でもあるんじゃないですか?」


 「馬鹿言え、戦車大隊とはいえ実質ティーガーIが2個大隊54輌、支援はなんとか引っ張って来た3・5tトラック10台と歩兵が100程、これで3万の敵対的な相手の中から1人を見つけ出せっていうんだから、藁の山から針を1本見つけ出す様なものだ」


 「それ何ですがね?人質に取られた衛生兵もただ者じゃあ無いらしく、アマゾニア戦争で軍団(レギオン)突撃(マーチ)に参加した古参で、アマゾニア戦争を戦い抜いた後に衛生兵になり、厳しい葬送曲(レクイエム)ヘの移籍試験を突破した後に精鋭の偵察小隊に配属になった女傑だって言うんですから、こちらが動けば脱出の為に行動を起こすだろうって話です」


 「うん?葬送曲(レクイエム)に入隊するには秘密保持の為に奴隷紋の書き込みが条件じゃあなかったか?」


 「それが、かなり上の方からの推薦が有ったらしく、特例で入団後に書き込んだらしいですね。それが、また噂を呼んでます」


 「俺達も、コイツ(ティーガーI)から機種転換する時は、書き込みをしなければいかんと言うが、ゾッとせんな」


 「まぁ、それだけ高性能の兵器を扱うんです。必要悪と考えましょう、おっと検問だ、ゲシュタルト王国軍との合流地点に到着のようですな」


 「良し『全車へ相手は敵では無いが、味方でも無い。武器から手を離すな以上』」


 『『了解(ヤボール)!!』』


 


 「オイ!!貴様達は何者だ!」


 薄汚れた、元は立派であったであろう甲冑を身に(まと)った騎士風の男が誰何(すいか)する。


 「我々はヒイラギ辺境伯の指揮下の軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)である道を開けられたし!!」


 「ヒイラギ辺境伯!!あの殺戮者の・・・!?」


 「殺戮者とは味方に対して無礼では無いですかな?」


 「う、五月蝿い!!とにかく同じ、ゲシュタルト王国軍ならば指揮官であるサルマン伯爵とハイネマン伯爵の指揮下に入れ!分かったな?」


 「先ほど、我々はヒイラギ辺境伯の指揮下にあると申し上げた筈、それに貴隊は我々の同胞を人質に取っていると聞く、速やかに返還されたし!」


 「その者は自らの意思で、ここに負傷者の治療の為に残ると言っている。訳の分からないことを言わずに命令に従え!!」


 通信手の男がケーニッヒ少佐の足を叩いて合図する。


 「部隊後方が偵察小隊と合流した仲間はやはり、この陣地の中だ。後、指揮官と言うハイネマン伯爵とサルマン伯爵はアマゾニア戦争の時に、陣地の場所取りでウチの司令と揉めてアレグリア侯爵にコテンパンにやられた連中だ。友好的には行かないぞ」


 「了解」


 騎士風の男が苛立ち始める。


 「何をコソコソしている!命令に従え!!」


 「ちょっと失礼、着任の挨拶をしましょう」


 「ハァ?」


 「弾種、榴弾装填、近くの森に撃ち込め」


 「了解(ヤボール)!!」


 「オイ!何を!!」


 ズド~ン!!


 ティーガーIの8(アハト)・8(アハト)cm砲が轟く。

 着弾箇所の木々が数本吹き飛んでいる。


 「貴様、何のつもりだ!!」


 そこへ陣地内から叫び声が上がる。


 「天幕が火事だ~!!」


 『総員、人質は火災の場所だ。戦車が道を切り開く、歩兵はその中を進め。戦車突撃(パンツァーカイル)だ!!』


 『『了解(ヤボール)!!』』


 「待て!貴様、何処へ行くつもりだ!」

  

 騎士風の男と兵士達が立ち塞がる。


 「ほらほら!退かないと潰してしまうぞ!!」


 ケーニッヒ少佐の戦車の操縦士も心得たもので、馬力を上げて音を大きくして威嚇する。


 「うわぁ~!!」


 所詮は、敗残兵すぐにバラバラに逃げ散った。


 「戦車前(パンツァーフォー)へ!!」


 戦車隊は、ゲシュタルト王国軍兵士を轢かないようにゆっくりと陣地内の物を押し潰しながら前進した。

 火災を起こした天幕は、そのまま放置されており、1人の迷彩服のエルフだけが側に立っていた。

 右足には、足かせと鎖で重しが付けられていた。

 戦車隊に追随していた、偵察小隊から1人の女性エルフが走って来る。


 「シルフィ姉さん!!」


 「ソフィア!無事だったのね!」


 「問題なのは、姉さんの方よ!誰か!鎖を切る道具を!!」  


 ケーニッヒ少佐が戦車の側面に取り付けられている道具箱から斧を取り出して来る。


 「お嬢さん(フロイライン)、ちょっと失礼」


 ケーニッヒ少佐は、斧を振り上げると思い切り鎖目掛けて振り下ろした。


 バキッ!!


 鎖が絶ち切られると2人の姉妹は抱きしめあった。


 ゴウンゴウンゴウン!!


 空から2隻の巨艦が現れた。飛行戦艦比叡と飛行駆逐艦島風であった。





誤字脱字報告、感想、評価、ブックマーク大歓迎です。応援宜しくお願いします。

シルフィ、ソフィア姉妹については、第121話辺りをご覧下さい。


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