165話 開戦 4
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マコトの乗艦、飛行戦艦比叡と飛行駆逐艦島風は合流してイスマル皇国海軍を迎え撃つ態勢を整えた。
艦橋の乗組員が報告する。
「イスマル皇国海軍12時の方角、約15kmに到達。そのまま当艦隊に向かって来ます」
マコトは指示を出す。
「飛行戦艦比叡、飛行駆逐艦島風、主砲斉射イスマル皇国海軍を撃滅せよ!」
飛行戦艦比叡の主砲127mm機関砲、飛行駆逐艦島風の主砲76mm機関砲が自動制御装置にしたがって、さまざまな仰角を取り始める。
飛行戦闘艦だけあり、砲は甲板のみに限らず側面、艦底部分に針ネズミの如くに搭載されて、その隙間を塞ぐかのようにミサイル発射部、20mmCIWSに40mm擲弾発射器で武装していた。
例えるならば、AC-130ガンシップを文字通り艦にしたような形だ。
マコトは、指揮権を艦長に移す。
「訓練の成果見せてみたまえ」
「ハッ!!全艦主砲で敵艦を適宜指向せよ。砲雷長、島風とデータ共有して同じ敵艦を砲撃するという失態は見せるなよ!」
「了解!データ共有完了。比叡、敵艦を4隻捕捉、島風敵艦を6隻捕捉しました。砲撃終了後、続けて同数の敵艦を砲撃可能です!」
「良し、大型艦、敵戦艦から優先して砲撃せよ。砲撃数は7回、少しは残しておかねば、我々が敵艦の生存者を救助せねばならないからな!」
この比叡の艦長の言葉に乗組員から失笑が漏れる。
「島風にも、連絡せよ。砲撃開始!」
ドドド~ン!!!
ほぼ1回に聞こえる4門の127mm機関砲が発射される。
十数秒後、レーダー観測手が報告する。
「敵戦艦4、敵巡洋艦6、レーダーから消えました。撃沈です!」
「「オオオオ~!!」」
飛行戦艦比叡の艦橋は、喜びの雄叫びが挙がった。
しかし、戦闘はまだまだ続く。続けて6回、4門の127mm機関砲が轟く。
結果、イスマル皇国海軍の戦艦15隻、巡洋艦30隻、駆逐艦20隻が海の藻屑と化した。
残ったのは、敢えて見逃した駆逐艦30隻のみである。
敵艦隊の指揮官は戦死してしまったかもしれないが、生き残った艦の艦長達が賢明であるならば、撃沈された艦の生存者を救助して撤退することだろう。
レーダー上では、右往左往しているように見えたイスマル皇国海軍残存艦隊は、2時間程戦闘海域に留まると、生存者の救助を終えたのか、撤退を開始した。
生き残った艦長達は賢明だったようだ。
最初の対艦ミサイルによる攻撃から、イスマル皇国海軍の撤退まで3時間もかからない戦闘時間であった。
「艦長、司令、緊急入電です!!」
飛行戦艦比叡の通信手が叫ぶ。
「落ち着け、何処からだ?」
艦長が通信手に促す。
「はい、イスマル皇国に陸路で侵攻したゲシュタルト王国軍に合流した偵察小隊からの無線で、侵攻したゲシュタルト王国軍4万のうち1万を敵の大砲により失い敗退したそうです」
マコトは独白する。
「敵はやはり地上戦にも大砲を投入して来たか・・・・」
通信手は続ける。
「ゲシュタルト王国軍より戦闘に加勢するように要請があり、やむを得ず戦闘を行い、敵の大砲陣地を襲撃したところ、軍より正式に従軍するように要請があったそうです」
マコトは激昂する。
「私の軍団は、偵察に徹すると陛下にも申し上げたのだぞ!敗退したのならば、潔く撤退すれば良いのだ!!偵察小隊の編成は?」
「ハッ、歩兵戦闘車1、高機動車2、オートバイ2、3・5tトラック1の20名です」
「それでは、団員に死ねというようなものではないか!!要請は断る!!」
「それが・・・・、衛生兵が1名を人質に取られたようでして・・・・」
「王国軍は狂ったか?ならば良い、このまま比叡と島風で加勢に向かう。この火力があれば文句はあるまい。しかし、このままで済むと思うな王国軍の指揮官!」
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