16話 ドリンドルにて 9
ビッグボアを換金した次の日、マコトは冒険者ギルドを訪れていた。
受付嬢のところに行くと、
「ギルドマスターのモーラスさんを頼みます。」
とギルマスとの面会を希望した。
「ギルドマスターですね。少々お待ち下さい。」
今日の受付はベテランのアリアだった為ギルマスから伝言でもあった
のかスムーズに話が進んだ。
「お待たせしました。ギルドマスターがお会いになります。」
というとアリアは、受付のカウンターの横に有る通路を開けた。
ギルマスの部屋に向かう途中、マコトからアリアに話しかけた。
「覚えてらっしゃらないかもしれませんが、トリアージ草の採集方法
の助言ありがとうございました。おかげで助かりました。」
すると、アリアは、
「いいえ、冒険者の方達の助力をするのが私達の仕事ですから。」
と笑顔で、答えた。
それ以上話しをする前にギルマスの部屋の前に着いてしまった。
アリアは、部屋の扉をノックすると、
「アリアです。冒険者のマコト様をお連れしました。」
と呼びかけた。
そこで、今日はアリアに自分の名前を伝えるのを忘れていたこと
を思い出した。彼女は対応した冒険者の名前を皆覚えているのだろうか?
そんなことを考えていると、
「良いよ~。入ってもらって~。」
というモーラスの気の抜けたような返事が聞こえた。
「失礼します。」
先にアリアがギルマスの部屋に入る。どうやら同席するようだ。
「失礼します。」
マコトも続けて室内に入った。
「イヤ~、マコト君昨日はビッグボアを2人でほぼ無傷で狩った
らしいじゃないか?僕をビックリさせてばかりだね!?」
「運が良かっただけですよ。」
「ウンウン、そう言うことにして置こうか。で、今日はどうしたんだい?」
相変わらずのテンションにうんざりしながら、アイテムボックスから3個の壺の取り出した。
「今日の用件は2つ。1つは、この壺の中身の価値が知りたいのです。1個に付き1kg入っています。」
「そう言うのは、本来商業ギルドの仕事何だけどね。ウチでも一応やっているけど。」
そう言いながら、ギルマスは壺の蓋を次々に開けていく。しかし開けるに連れて、顔が険しくなっていく。
「これは、胡椒の実、塩、そして砂糖かい?」
「ご名答です。さすがギルドマスター。」
「一応聞くけど、こんな貴重品何処から?しかも、こんなに。」
「ある伝からとだけ申しておきます。」
「フゥ、それでアリア君いくらになるのかね?」
「はい、塩が10万円、胡椒の実が100万円、砂糖が150万円程になるかと思われます。商業ギルドではもう少し変わってくるかもしれませんが。」
「ここに有るだけで白金貨2枚と大金貨6枚かい。本当にビックリさせてくれるよ。それで?もう1つの話というのは?」
「はい、この街に奴隷商、又は奴隷市場が開催される予定は有りますか?」
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