155話 領地開発 7
モンスターの次は海賊、主人公の治める領地は問題ばかりですね。戦闘回が続きますが、ご意見、ご感想、お待ちしております。
海賊の暗躍、それはシーサイドを領地として預かるマコトにとって、放置出来ない案件であった。
シーサイドの警備隊も黙って見ていただけでは無かった。
襲われた貿易船の乗組員から事情聴取を行ったり、港の漁師から情報を集めたりしていた。
その結果、海賊の人数は大まかにだが200人前後、特定の海域での目撃情報が多いことが分かった。
「その程度ならば今回連れて来た小隊だけで、殲滅できるな。しかし根城がはっきりしないのでは動きようが無いな」
マコトは、シーサイドに駐在する武官や、貿易船の船長などから話しを聞き、海上を警備するだけでは海賊を見つけることは困難だと判断して、領都ノースガルドに派遣されている多目的戦闘ヘリ、バイパー6機の内の2機を呼び寄せることにした。
空中からの捜索と同時に、囮の貿易船を使うことも考えた。
シーサイドと他の港街を行き来する貿易船に、臨時分隊を3個編成して乗り込ませた。
これらの船は、海賊の出没する海域を行き来するだけで、空荷の為に普通の船より速度が出せるように考えてあった。
3隻の囮の貿易船に、空からの捜索をする2つの目。これがマコトが打ち出した海賊対策であった。
シーサイドの街に海賊の仲間が居ないとも限らないので、策は内密に実行され、ヘリも街から離れた場所に臨時拠点を設けて出撃した。
3日間は何事も無く過ぎ去った。しかし、4日目の昼頃、各分隊に配備された無線機が鳴った。
『こちら囮船シーサーペント号、海賊の襲撃を受けている至急増援を!!』
『こちらスネーク1、貴船から5分の位置だ急行する』
『了解、スネーク1、海賊は中型帆船が2隻で数は情報通り200人前後。弓矢で攻撃している・・・・ちょっと待て、アレは何だ?』
マコトはスネーク1の兵員室内から無線機を取る。
『シーサーペント号報告は明確にしろ』
『伏せろ~!!ド~ン!!!ザザ・・・・』
『シーサーペント号、今の爆発音は何だ!!おい!』
『ザザ・・・・こちらシーサーペント号、海賊は原始的ながら大砲を所有、複数の砲から攻撃を受け、負傷者多数・・・・・12・7mm重機関銃で反撃する』
『こちらHQ、喫水線を狙え。いくら海賊でも浸水すれば退避する筈だ』
『ザザザザ・・シーサーペント、了解』
無線機で会話している間にも、スネーク1は襲撃のあった海域に向かっていた。
「海域到達まであと1分!見えて来た!!」
スネーク1のメインパイロットが報告して来る。
「自分達はシーサーペント号に降ろせ、海賊はスネーク2と他の囮船に任せる」
「了解!」
「さて、紳士諸君、戦場だ。第1に味方の救護、第2に脅威の排除だ」
マコトは、スネーク1の兵員室内に押し込めれた他の7人に語り掛ける。
全員が黒地に白の髑髏の刺繍の入ったバララクバを被っている。
領都ノースガルドから来た増援だ。因みに髑髏は海賊に対する威嚇であり、マコトの趣味だ。
「「了解!!!」」
全員がエルフだが、ドスの効いた返事をする。
「シーサーペント号、上空!Good Luck!」
「よし!!GO!GO!GO!」
エルフの団員達は精霊魔法で風を操り、飛び降りるが、マコトは2人の団員に脇を固められて飛び降りた。
シーサーペント号の甲板に素早く展開する。
「クリア」
「クリア」
「要救助者発見!」
「こちらもです!」
「友軍を確認!」
降下した団員達の報告と同時に、12・7mm重機関銃が息を吹き替えした。
ズドドドドドドン、ズドドドドドドン!!
「トリアージ!!」
衛生兵に負傷者を任せると、マコトは重機関銃手のところに向かった。
見ると額から血を流しながら、足元にもう1人倒れた状態で重機関銃手は海賊船に対して反撃していた。
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