152話 領地開発 4
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バス!バス!
プギャ!!
消音器にも消せない銃声と共にマッドボアが倒れる。
2日目の夜、これで2つ目の群れだ。
イヤ、群れだった。最後の1頭だったらしい。
「次の待ち伏せポイントに向かいますか?」
部下の小隊長が、赤外線ストロボの装置を設置しながら質問してくる。
「そうだな・・・・」
しかし、今夜は満月で明るいせいか、ボア達が活性化している気がする。
そんなことを考えていると無線機が鳴る。
『至急!至急!こちら3班。スタンプボア3頭を確認しましたが、1頭が5m超えアーマードスタンプボアです!!』
アーマードスタンプボア、それは硬く平たい鼻で相手を押し潰してしまうスタンプボアの中でも一際長く生きた個体で、フルプレートアーマーの騎士を押し潰してしまったという逸話から名付けられた恐ろしい巨体を持つスタンプボアである。
『3班、こちら1班。落ち着いて対処せよ!重機で側面を攻撃せよ!大丈夫、重機ならば殺れる!!』
『さ、3班、了解』
無線機を無線手に返すと、マコトは小隊長を呼び寄せ、
「3班の援護に向かう。5班の重機関銃も持って来させろ!」
「り、了解しました」
マコトは、2人の団員を連れて3班が待ち伏せしていた筈のポイントに向かった。
ドドドン!!ドドドドド!!
前方から12・7mm重機関銃の銃声が聞こえて来た。どうやら接敵したようだ。
前方に2人のエルフの団員が立て籠る簡易陣地が、暗視装置の緑色の視界に入って来た。
「1班だ!撃つな!!」
アーマードスタンプボアの出現にパニックを起こした団員が誤射をしないように叫んで、陣地に飛び込んだ。
そこには、機関手と小銃手が1人ずつ居り、アーマードスタンプボアの注意を引き付けているようだった。
「残り3人は重機と一緒か?」
軽機関銃を撃ちまくる機関銃手は置いておいて、小銃手に話しかける。
「はい、そうです!なにぶん重さが重さですから!!」
小銃手もアーマードスタンプボアの注意を引き付ける為に、19式自動小銃を撃ち続けながら応えた。
アーマードスタンプボアの注意を引き付けなければ、より脅威度の高い重機に向かって行ってしまうだろう。
だから、この2人はアーマードスタンプボアの注意を引こうと必死なのだ。
「援護するぞ、目標前方150アーマードスタンプボア!撃て!!」
マコトの19式自動小銃ともう1人の19式自動小銃と軽機関銃が、アーマードスタンプボアに襲いかかる。しかし、びくともしない。
そこへ、
ドドドドン!!ドドドド!!
再度、重機関銃の銃声が鳴り響き出した。銃身の交換でもしていたのだろうか?
報告にあった他の2頭のスタンプボアは既に地に倒れ伏していたが、1頭だけ5m超えの巨体だけが、暗視装置の緑色の視界に飛び込んでくる。
既に少なくない12・7mm弾を喰らっている筈なのに、まだ前進しようともがいている。
しかし、左前足に弾を喰らったのか、引きずっており、もうその場からは動けないようだった。
「司令、5班の重機関銃が届きました!」
遅れていた小隊長が、2挺目の重機と共にやって来た。
「分かった、付いて来い」
マコトは、重機関銃の運搬員2人と弾薬を運ぶ1人の団員を連れて、既に展開している3班の重機の反対側に回り込む。
既に動けなくなったアーマードスタンプボアは首を3班の重機と簡易陣地の方角に振り、威嚇していた。
マコトは重機を設置させると射手の位置に付き、一連射をアーマードスタンプボアの首筋に叩き込む。
ドドドドドドドン!!!
一瞬の静寂の後、アーマードスタンプボアは鳴き声も無く倒れ伏した。
2日目の夜の戦いは終わった。
その日の戦果は、マッドボア、フォレストボア、スタンプボアが97頭に、アーマードスタンプボアが1頭だった。
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