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151話 領地開発 3

領主として領地を富ませるのは、重要ですよね。今の特産品は薬草、塩、ドライフルーツを考えていますが、エルフの住む森らしい特産品の案が有れば感想等で教えて下さいませ。

 『マッドボア距離50まで後10・・・』


 隊内用の小型無線機、今は5つの分隊で違う周波数で使用している為、聞こえて来たのは、この分隊を率いる小隊長の声だった。

 既に目標のマッドボアの姿を暗視装置の緑色の視界の中に捉えていた。

 報告通り、11頭が団子状になって進んで来る。

 分隊は、小隊長にマコトも含めて7人だ。

 しかし、1人は機関銃手の為6人で11頭を仕留めなければならない。

 1人あたり2頭だ。

 仕留めたボアは、昼間の村で解体して貰う予定だが、鉛玉(なまりだま)だらけになった肉を提供しても困るだろう。

 ならば、急所に一撃の獲物の方が喜ばれるだろうが、心配はしていなかった。

 何せ、原始的な弓矢で獲物を仕留めるエルフ達に、7・62mm弾のバトルライフルを装備させた部隊だ。

 今までも、そして、これからも期待が裏切られる事は無い筈だ。


 『6、5、4、』


 少しの間、考え込んでいるうちにカウントダウンが始まっていたようだ。

 マコトが狙うのは、集団の中程に位置する2頭だ。

 19式7・62mm自動小銃のセレクターを単射に設定するマッドボア程度ならば頭蓋骨に1発お見舞いすれば、一撃だ。


 『3、2、』


 小隊長のカウントダウンが進んで行く。一呼吸だ。


 『1、0、射撃開始せよ!!』


 パス、パパパス、パス、パス


 消音器でも消しきれない音が漏れる。


 プギャ!プギプギ!!


 闇夜にマッドボア達の断末魔が響き渡る。次々と緑色の視界の中でマッドボア達が倒れて行く。


 『撃ち方止め、撃ち方止め!!』


 まともに立っているマッドボアが居なくなると、小隊長が射撃中止の指示を出すが、皆自分の目標は撃ち倒し済みだった。

 小隊長は、仕留めたマッドボアの群れの側に赤外線ビーコンを置いた。

 こうしておけば、後でマコトがアイテムボックスで回収する際に分かりやすいという配慮だった。

 闇夜の中、マコト達は次の待ち伏せ箇所に向かった。



 結局この夜は58頭のマッドボア、フォレストボア、スタンプボアを仕留めた。

 日が昇り、村の広場はマコトのスキル、アイテムボックスで集められたボアの解体があちらこちらで始まった。

 一度に10頭がやっとで、数時間かかる為に1日がかりで処理するのが、やっとだった。

 葬送曲(レクイエム)の団員は、村の集会場で仮眠を取った。

 情報によるとボアは、約200頭だ。

 後4日はかかる。

 領主としての役割を果たす為に、村の害になるボアの群れを取り敢えず排除するのが、大切だが新しい輸出品になる候補のアプルの実を守る意味もあった。

 仮眠を終えて、マコトは村のアプル農園を村長の案内で見て回った。

 農園は半分野生化していたが、輸出品とするだけの規模は充分にあった。

 アプルはドライフルーツ化すれば、充分商品として通用した。

 ロードル村のアプルの実と他の村のドライフルーツを詰め合わせた物を領地に有る港から輸出すれば、携行食、甘味に飢えた富裕層相手の良い輸出品になることだろう。


 2日目の夜がやって来る。

 

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