150話 領地開発 2
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深夜アプル農園。
マコト達は、5班に別れてボアを待ち受けていた。
もともとボア系の魔物は群れをつくることが無く、有っても家族単位だ。
だから村の狩人の見立てで、なるべく多くのボアが通る獣道に部隊を配置した。
作戦は至ってシンプルで、暗視装置を装備して待ち構えて自動小銃で数を削り、
突破されそうになれば、軽機関銃の出番となる。
4m超えのスタンプボアが出没しそうな箇所の班には12・7mm重機関銃も配備されている。
マコトも今夜一晩で全ての害獣であるボアを殲滅出来るとは考えていないが、数日続ければ、かなり効果は有るだろうと考えていた。
待ち伏せ開始から2時間後、無線機が鳴った、
「こちらは、2班マッドボア12頭を確認」
「1班、了解。攻撃を開始せよ」
「2班、了解」
すると、2班が担当する方向から微かな銃声が複数聞こえて来た。
集まったボアが驚いて逃げ散らない様に消音器を使用している。
威力は多少落ちるが、1頭でも多くのボアを仕留める為の策だ。
因みに機関銃には、装着出来ず2梃有る12・7mm重機関銃は3班と5班に配備されている。
『こちらは、4班フォレストボア8頭を確認』
『1班、了解。攻撃開始』
『4班、了解。攻撃します』
『こちら、2班。マッドボア全滅どうぞ』
『1班、了解。所定の位置に配置転換せよ』
『2班、了解』
1ヶ所の獣道の群れを殲滅すれば、昼間の内に決めておいた2次地点に移動してそこで、再度待ち伏せする。
何せ、200頭近い数だ、獣道も群れも複数有る。
今回は、こうした事態を想定していなかった為に人員にも限りが有る。
無線機が再び、騒がしくなって来た。
『こちら、4班フォレストボア7頭キル、1頭逃がしました』
『了解、4班も配置転換せよ』
『4班、了解』
『こちら、3班。スタンプボア4頭を確認。2頭は3m超えです』
『了解、3班、重火器の使用を許可する。確実に仕留めよ』
『3班、了解』
『2班、配置転換を完了。フォレストボア7頭を確認』
『1班、了解。アプルの木を傷付け無いように配慮して攻撃せよ』
『2班、了解』
ズドドン!!ズドドン!!
3班の配置方向から重機関銃の発射音がした。
『3班、スタンプボア4頭キル』
『1班、了解。3班も配置転換せよ』
1班の団員が近付いて来た。
「司令、マッドボア11頭が接近中です」
「対処しよう」
マコトは、無線機を通信手に任せると、消音器付きの19式7・62mm自動小銃を手に取った。
マコトが団員と共に簡易陣地に入ると、本来この小隊を率いる小隊長が獣道の先を指差し、
「この先200mです」
と小声で目標を指示してくる。
ヘルメットに装着された暗視装置をずらして、暗視装置付きの双眼鏡で目標を探す。居た。
先頭を体長2m程の個体が進み、その後を若干小さな個体が団子状になって進んで来る。
「距離50まで引き付けて射撃開始・・・・」
小隊長は無言で下がり、小隊の団員達に指示をして行く。
双眼鏡を腰のポーチに戻すと、マコトもヘルメットの暗視装置を装着し直して、マッドボアの襲来を待ち受ける。
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