149話 領地開発 1
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マコトは領内を巡回して回り、新たな特産品が無いかを探して回った。
街を見て、次の巡回先である村へ向かう途中の小休止の際に、1個小隊の葬送曲の部隊を連れて来ていたが、案内人のエルフから何かを分けて貰っているのが、ふと目に入った。
「それは何だ?」
マコトは軽い気持ちで、声を掛けたが余り今まで接点の無かった団員らしく、貰った物を摘まもうとしている状態で固まってしまい、
「こ、こ、これはですね・・・」
完全に緊張してしまっていた。
「司令、それは干し木の実ですよ」
と古参の団員が説明する。
聞いてみると、果物等の木の実を乾燥させて日持ちを良くして、狩猟の際の携行食や、子供のオヤツになっているエルフの伝統的な食べ物らしい。
試しに一掴み食べてみたが、ドライフルーツそのままで、噛めば噛むほど甘味が感じられた。
そういえば、コダの森で蜂蜜を大量に手に入れた際に、宴会をしたがクッキーの中に入れて焼いていたエルフが居たな。
エルフの伝統食だったのか。
黙々とドライフルーツを食べるマコトを心配したのか、
「し、司令?」
と先ほどの古参団員が話し掛けた来る。
「あぁ、スマン考えごとをしていた」
異世界に来る前は、母親がドライフルーツが好きで朝食には自家製ヨーグルトとドライフルーツの組み合わせがデザートについていた。
そのことをふと思い出して、涙が一粒こぼれた。
「しかし、これは良い。地域の特産品に出来るのではないか?」
「干し木の実がですか?私達は子供の頃から食べ慣れているのでピンと来ませんな?よろしければ、次の村が干し木の実の材料になるアプルの実の産地なので村長と相談してみましょう」
小休止が終わり、30分程車両で走ると森の緑の匂いの中にリンゴの甘い蜜の様な匂いがして来た。
「この匂いがして来れば、次の村ロードルはすぐですよ」
案内人のエルフがそう言って説明する。
その言葉の通り、すぐに木の柵に囲まれた村が見えて来た。
木製の門は閉まっていたが、案内人のエルフが門番と一言二言話すとすぐに開いた。
村の真ん中まで進むと、人だかりが出来ており、その中にはマコトが各村や街に派遣した文官と武官の姿も見えた。
中々白熱した論争をしているらしく、マコト達の車両が村に入って来たのに気付いたのはわずかだった。
パー!!パー!!
先頭車両の運転手がクラクションを2回鳴らして漸く、全員がマコト達に気付いたようだった。
文官と武官がマコトに気付いたらしく、数人のエルフを引き連れて高機動車に近付いて来た。
「辺境伯様、お待ちしておりましたが、問題が発生しまして領都に連絡を入れるところでした」
武官がそう報告して来る。
「実は、この村の特産品のアプルが今年は例年に無く豊作だったのですが、それをマッドボアやスタンプボアといった魔物が嗅ぎ付けて大量に出没して村の狩人だけでは手に負えなくなって来たのです」
「大量とはどのくらいだ?」
文官が進み出て、
「把握している限りでも、体長2m超えの個体が200頭、スタンプボアに至っては4mクラスのものも狩人が目撃しております」
村長らしきエルフが前に進み出て、
「領主様!村人が既に何人も負傷しております。中には生死の境をさ迷っておる者も居ります。どうかお力添えを!!」
「分かった、何とかしよう。小隊長!!衛生兵を負傷者のもとへ、あと装備を確認せよ」
「ハッ!戦闘員は31名、19式7・62mm小銃が30梃、5・56mm軽機関銃が5梃、車載12・7mm重機関銃が2梃、84mm無反動砲が2門、指向性散弾地雷が2箱、手榴弾が60個であります!!」
「戦闘員は1名追加だ・・・・」
「ハア?」
機関銃手を務める団員から、マコトは小銃を借り受ける。
「領主として、民を苦しめる存在を許しておける筈無いだろう?
Let´s Party!!」
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