148話 新領地 11
寒くなって参りました。皆様いかがお過ごしでしょうか。自分は携帯ゲームの団体戦にはまってしまって危うく投稿を忘れるところでした。スミマセン。そろそろ戦闘を持って来たい今日この頃です。
マコト達は、拝領した元アレフガルド王国北域、通称北アレフガルドの領都ノースガルドに入城した。
北域は、アマゾニア王国の侵略は受けなかったが、長引いたゲシュタルト王国との戦争で人口が大幅に減少していた。
その為に幾つかの街や村を統廃合して、その都市の規模に見合った住民を住まわせて、無人になった都市は魔物や盗賊の根城にならないように焼き払う必要があった。
統廃合により人が1ヶ所に集まれば、空き家等が犯罪者の隠れ家になることも無いし、人の管理もしやすくなる。
マコトは、統廃合のついでに戸籍謄本を作る気でいた。
意外なことだが、戸籍謄本、聞いたことがあるが良く分からないという人も多いだろうが、要するに誰が何処に住んでいて、誰と家族なのかということを記した公的書類であり、記録にある限りの家系を遡り家系図を作成することも可能であるが現代社会でも採用している国は非常に少ない。
かくいうマコト自身も詳しい制度の内容を知っていた訳ではないが、どの街にどの位の人が住んでいるのかが分からなければ、人頭税等集め様がない。
よって先に考えていた駐在所・交番構想と合わせて実態を把握することにした。
しかし、街や村の統廃合の動きは中々進まなかった。
想定されていたことだが、先祖代々の土地や今まで住んでいた場所を離れることを拒否する者が続出したのである。
心情的には理解出来るが、人口の減少により、地域のコミュニティを維持出来ていない場所が多かった。そういう場所が統廃合の対象になるのだが。
よって、葬送曲に所属するエルフ達が、住民のエルフ達の説得にあたり、少しずつ移住させて行くしか無かった。
そうでなければ、数人しか住んで居ない場所や把握がされていない場所に住んでいるエルフ達に何かしらあっても、マコト達は対処することができないのだ。
実際、調査の段階で魔物の群れに襲われたとおぼしき村や、非合法の奴隷狩りに遭ったと思われる集落が幾つも発見された。
これ以上の被害を出さない為にも、ある程度纏まった集落の構築は急務であった。
同時に、非合法の奴隷商の摘発や、魔物の討伐等も行われたが、やはり地域住民からの情報が無い為に思うようにはいかなかった。
このような困難に遭いながらも、何とか半年をかけて、ある程度の形になって来て、人口の把握にも目処がついてきた。
それにより、この地域の特性等も見えて来た。
住民のほとんどは、エルフで占められており、村の規模では、狩猟や森の恵みの採取で成り立っている。
街程になると、森の恵みだけでなく、放牧や農業を行い供給を満たしている。
魔物の群れによる襲撃も少なくなく、村では柵を、街では壁や堀を巡らせて防備を固めている。
主な外貨の獲得手段は、森や、農園で採取された薬草と、領地の一部が海に面している為に塩や、海産物の干物が大きな収入源となっていた。
人口は約7万人で、そのうち4000人程が領都ノースガルドに居住していた。
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