142話 新領地 5
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宿営地に戻るとマコトは、臨時司令部にしている元は豪商か貴族の屋敷であったであろう建物に入った。
中に入るとエリックや他の古参のエルフ達がアレグリア侯爵との会談の内容を知りたそうに、そわそわしていたのでその場に居た者達には、非公式ながらアレフガルド王国の1/4の領地と辺境伯への陞爵が内定していることを告げた。
多くの古参のエルフ達は、アレフガルド王国という国は失えども、故郷の大地に還れることを喜んだ。
しかし、一国の1/4もの領土を管理しなければならないのだ。
その為に急ぎ、文官を揃える必要があった。
マコトは、元ハリマ帝国親衛隊長のジークハルトに相談すると、ジークハルト自身、帝国では領地を持つ貴族であり、その時の文官も引き連れてマコト達に合流するとのことであった。
それでも文官は足りない事から、マコトはドリンドルに帰還する許可をアレグリア侯爵から得て、久しぶりに鉱山都市ドリンドルへと帰還した。
鉱山都市ドリンドルは、アレグリア侯爵から聞いた通り、アリシアが率先して、治安維持と新規開拓地の発展と復興に取り組んだ結果、屋敷の蔵には、銀の延べ棒や、鉄や銅を販売して得た利益の金貨で埋め尽くされんとしていた。
勿論、王国への税を納めた上でである。
また、金の鉱脈が見つかった事から、その専門家を領内に招く段取りもしていたが流石にそれは、領主であるマコトの許可がいることから、行ってはいなかった。
マコトは、その資金や、これまで培った人脈を使い文官をかき集めた。
ミケーレ商会からは、読み書き、計算の出来る奴隷を買い求め、王都の西の街イースタを治めるイースタ子爵からは、信頼のおける人材の斡旋を受けた。
勿論内密にである。イースタ子爵も領地の英雄の為に何も聞かずに、自身の名誉にも関わることから、厳選して口の硬い信頼のおける者を集めた。
アレグリア侯爵も積極的に協力して100人近い家臣団を送って来た。
人材集めに奔走して1ヶ月が経とうとした位だった。王都からの呼び出しの書状が届いた。
その頃には、元ハリマ帝国親衛隊長のジークハルトも鉱山都市ドリンドルに到着しており、その家族、関係者を含めて3000人程になった。
マコトは、元ハリマ帝国親衛隊から200人、軍団、葬送曲から300人を選抜して、王都へと出発した。
因みに、軍団、突撃についてはアマゾニア戦争後、負傷者と希望者は除隊を許可したが、それでも1000人程が残り、鉱山都市ドリンドルにやって来てコダの森で依頼をこなしていた。
それに、葬送曲の約1000人、元ハリマ帝国親衛隊の2000人
とマコトの有する軍団は4000人近くになっていた。
まだまだ文官も武官も増やす気でマコトはいたが、まずは新領地の受領と陞爵が先である。
マコトは高機動車に乗り込み、ハーフトラックや、軽装甲機動車に守られて首都ゲイボルグへと向かった。
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