136話 アマゾニア戦争 21
そろそろアマゾニア戦争編も終盤になって来ました。Pv34万、ユニーク4万6000件突破です。応援ありがとうございます。
漸く、自分達の受け持ちのアマゾニア王国軍を殲滅したマコト達とアレグリア侯爵の騎兵部隊は、2つに別れて右往左往するアマゾニア王国軍中衛軍残存部隊6万を包囲にかかった。
大型のエレファント種はティガーIの八・八cm砲によって掃討されたらしく、1頭も残っては居なかった。
マコトは、いびつになったアマゾニア王国軍の陣形を削り取るようにして、確実に数を減らしつつ、アマゾニア王国軍を中央に圧しやって行った。
無線機で、ハリマ帝国の親衛隊長でドイツ軍のジークハルトに連絡を取ると度重なる突撃で、陣形が乱れた為に腰を据えて射撃戦に移行しているとのことだった。
「では、貴官の部隊はアマゾニア王国軍の陣形内に残って居ないのだな?」
「あぁ、しかし、どうするつもりだ?敵は少なく見積もって5万、兵らも消耗している」
「戦場の女神に御光臨頂く」
「・・・・っ、まさか!!」
「155mm榴弾砲小隊、撃ち方始め!!」
ドドド~ン!!!
ハリマ帝国軍が、アマゾニア王国軍陣形内に浸透してからは、同士討ちを避けるべく沈黙していた、155mm榴弾砲が再び火を吹いた。
包囲され、密集していたアマゾニア王国軍には効果的だった。慌てて砲撃の範囲外に出ようとすると、マコト達や、ハリマ帝国軍、アレグリア侯爵の弓騎兵に再び陣形内に押し戻される。
砲撃は1時間続き、155mm榴弾砲小隊のドワーフの小隊長からの、
「残弾無し」
の報告まで続いた。
既に残存部隊が数百を切っていたアマゾニア王国軍に対して、マコトが命じたのは、
「殲滅せよ」
の一言だった。それから間もなくアマゾニア王国軍中衛20万は、この世から消滅した。
アマゾニア王国軍後衛15万は、葬送曲の航空部隊に散々に撃ち破られて、エレファント種、ライガー種、タイガー種の騎兵を失い、運搬していた物資も完全に焼き払われた状態で、後方に退避し、機を伺っていたゲシュタルト王国の貴族軍8万を始めとする四か国連合軍20万と激突した。
葬送曲の航空部隊は気付いていたが、後衛15万のほとんどは、アマゾニア王国内に留まっても生きて行く術を持たない難民が多数を占めていた。
その内情は、四か国連合軍も薄々とは勘づいていたが、ここで手柄を挙げねばとばかりに全力で襲いかかった。
結果6時間もせぬ内にアマゾニア王国軍後衛15万も、この世から消滅した。
こうしてアマゾニア王国での飢饉を端に発したアマゾニア王国軍によるアレフガルド王国侵攻は完全に頓挫した。
これからは、四か国連合及びその他の諸国によるアレフガルド王国とアマゾニア王国というパイを切り分ける交渉会議の始まりである。
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