135話 アマゾニア戦争 20
台風19号による被害に遭われた方々、どうか頑張って下さい。少しタイムラグが生じますが、被害の状況が分かるに連れて今回の台風の酷さが分かって来ます。自分も昔住んでる地域の川が決壊して自宅付近まで水が来た経験があります。
この作品が少しでも、気晴らしになればと思い投稿します。
勝機は間もなく訪れた。只でさえマコト達の攻撃により、戦力が半減していたところに側面からの機甲部隊の奇襲だ。
アマゾニア王国軍10万の軍勢は、熱いナイフで切り分けられるバターのように簡単に引き裂かれていった。
「今だ!!傷口を塞がらせるな!車両部隊前進!!」
今まで、塹壕陣地内の車両用塹壕にハルダウンしていた、歩兵戦闘車、軽装甲機動車、高機動車が飛び出して来る。
塹壕陣地のあちらこちらに、陣地を越える為の仮設の橋も渡され、次々と車両群が戦場に生じた傷口に飛び込んで行く。
歩兵戦闘車、軽装甲機動車は、乗員も銃眼から銃口を突き出して、発砲していた。
高機動車は、他の車両に比べて装甲が薄い分、難儀していたようであったが、後部扉を開け放ち、手榴弾を撒き散らすなど工夫をした戦い方をしていた。
ドンドンドンドンドン
歩兵戦闘車の35mm機関砲が、孤立したエルダーエレファントの1頭を捉える。
パォ~ン!!
頭部を穴だらけにされたエルダーエレファントは、断末魔を上げると周囲のアマゾニア王国軍兵士を巻き添えにして横転した。
タタタタタタン!タタタタタタン!
パパパパパパッ!パパパパパパッ!
ドン!ドカ~ン!
あちらこちらから、銃声に、手榴弾の炸裂音がしている。
どうやら、異世界のドイツ軍は斜めにアマゾニア王国軍の陣地を突破したらしく、こちら側には約4万のアマゾニア王国軍兵士が取り残されたようであった。
順調にアマゾニア王国軍を撃破していっていたが、遂に恐れていた事態が起きた。
アマゾニア王国軍兵士の投降である。
「HQこちら、臨時第3大隊第2中隊長アレックスであります。
アマゾニア軍兵士が投降の意思を示しているのですが?」
「アレックス中隊長と言ったかね、こちらはHQだ。
事前ブリーフィングを聞いていなかったのかね?獣人の捕虜は取らない!!」
「しかし、相手は武器を捨て怯えておりますが・・・・」
「それが、どうかしたかね?相手は無抵抗市民を虐殺して、喰らった獣共だ。魔物討伐と変わらない、やりたまえ」
「・・・・了解しました」
パパパパパパン!
通信後、しばらくして銃声が鳴り響いた。
「HQより、各級指揮官へ自分は同じ事を何度も言うつもりは無い。獣共は駆逐せよ!!以上だ!!」
無線機の送受信機を通信手の持つ無線機に戻すと、マコトは誰にともなく独白する。
「この程度で躊躇してもらっては困る。我々は彼らを絶滅させに来たのだから」
通信手が、恐る恐るといった感じで切り出した。
「しかし、司令、何も殲滅する必要は無いのでは?私達のように戦争奴隷にすれば・・・・・」
「意外だな?君は家に帰って来て奴隷が妻子を食い殺して居ても許せると?」
「イエ、私が間違っておりました!!」
「さて、忙しくなるぞ。包囲した4万を包囲殲滅した後は、アレグリア侯爵の騎兵と共に、ドイツ軍が蹴散らした敵の掃討戦だ」
「ドイツ軍・・・・?」
「言い間違えた、ハリマ帝国軍の討ち漏らしを掃討するぞ全部隊に通達!!」
「了解しました!」
マコト達が包囲した4万のアマゾニア王国軍兵士を殲滅するのに更に3時間がかかった。
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