133話 アマゾニア戦争 18
おかげ様でPv32万、ユニーク4万5000、総合ポイント1000を突破しました。今回の話しから舞台は大きく変わって行きます。その内容が受け入れられることを信じて投稿します。後、評価、ブックマークも大変嬉しいのですが、感想が頂けると幸いです。追伸総合ポイント1000突破記念に3日連続投稿です。
ブ~ン
アマゾニア王国軍の側面方向から聞き慣れない音がして来た。
イヤ、マコトは前世に暮らして居た下関市で、これに似た音を聞いたことがあった。
小月航空基地のTー5練習機だ。
「Tー5イヤ、レシプロエンジン機?」
「司令?」
「通信手!!無線機!!」
「あっ、ハイ!」
マコトは、無線機の送受信機を取り上げると、叫んだ。
「HQより、総員!音の発生源に注意せよ!!但しこちらからは発砲するな!」
5分もしない内に音の発生源が視界に入って来た。
「鉄十字にあの機影、ドイツのスツーカか?」
独特の固定脚を持つドイツの急降下爆撃機の姿は、兵器にあまり詳しくないマコトにも、映画等で知識があった。
すると、次に起こるのは・・・・・・
「総員、塹壕に隠れて頭を出すな!!」
無線機で全団員に呼び掛けると、通信手を引っ張り塹壕のそこに伏せた。
キ~ン
スツーカの独特な急降下の際の死のサイレンが、複数聞こえ始めた。
ズドン!ズドン!ズドン!ズドドドドン!!
小さな炸裂音がいくつも聞こえて来る。
これは、集束爆弾、後のクラスター爆弾の音だろうか?
恐らく、地上には地獄が顕現しているはずだ。
スツーカの急降下爆撃の音が聞こえ無くなると、次は無限軌道の音が森の中から聞こえ出した。
パンパンパン!!
タタタタタタッタタタッ!!
銃声が聞こえ始めたかと思うと、次の瞬間!!
ドコ~ン!!
砲撃音がして木々が吹き飛ばされた。その森の割れ目から現れたのは、MP40短機関銃や、StG44自動小銃、MG42軽機関銃を装備したシュタールヘルム(フリッツヘルメット)の迷彩服の兵士の集団と、それに守られたティガーI戦車の車列だった。
彼らは見事に敵を側面から奇襲した訳だが、少なくない人数がマコト達の射線に入ってしまっており、射撃を一時停止する塹壕陣地も現れた。
幸いな事に、葬送曲と、突撃の服装はパッと見に、謎の集団と同じに見え、それらと行動を共にしているアレグリア侯爵の軍団も謎の集団からは、敵視されていないようであった。
状況把握に務めようと、無線機に向かってがなり立てていたマコトであったが、1人の騎兵の到着でその謎が判明する。
「ヒイラギ子爵、ヒイラギ子爵は居らんか?」
前線の塹壕陣地を、軽やかな手綱捌きで進み、マコトの居る司令指揮所に現れたのは、誰であろうアレグリア侯爵だった。
「援軍が間に合ったぞ!!アレはハリマ帝国の親衛隊だ。親衛隊長自ら指揮を取っている。
・・・・分かっている。銃の件だろう?それも親衛隊長に聞けばはっきりとする・・・・と思う」
最後のやり取りを濁したアレグリア侯爵だったが、味方ならば心強い。
援軍の数はざっと見に2000程だろうか?
彼らが本格的な追撃戦に移る前に、軍団を動かさなければならなかった。
「残りの指向性散弾地雷を全て起爆!然る後に反撃に移る!!着剣再確認!!起爆!!」
ドコドコ~ン!!!
残っていた100個の指向性散弾地雷が全て吹き飛んだ。大きな土煙と血煙が上がる。
「総員突撃に~掛かれ!!」
ワァー!!
1000名のアレフガルド王国義勇兵、突撃、2500名のアレグリア侯爵の軍団、そして、約500名の葬送曲、総員4000名が突撃に移った。
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