132話 アマゾニア戦争 17
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アマゾニア王国軍中衛20万。
今回の戦争で、マコト達が相手するアマゾニア王国軍の主力である。
遠目にではあるが、多目的戦闘ヘリ、バイパーから報告のあったエレファント種やライガー種、タイガー種のアマゾニア王国軍騎兵の姿も見える。
後方から駆け付けたのか、アマゾニア王国軍後方を目指していたバイパー部隊が見逃したのかは分からないが、ビッグエレファントが20頭、エルダーエレファントが5頭、騎兵に至っては2000騎近く居る。
また、米粒サイズにしか、見えないが敵陣の上空を何かが飛び回って居る。
最初は、バイパー部隊が到着したのかと思ったが、双眼鏡で確認すると下位のワイバーン種やグリフォン種を50頭程集めた敵の航空部隊だった。
制空権を敵にくれてやるのは、戦術的にも心情的にも癪だった為に、弾薬補給の為に後方に下がっていたスネーク1、5、6の3機を武装を換装させて上空支援に回した。
指向性散弾地雷原も今回は5段階から10段階に増設し、武器、弾薬の補給を行った。
既に、155mm榴弾砲小隊は砲撃を開始しており、敵陣からは度々土煙が上がっていた。
それでも、アマゾニア王国軍は前進を止めずに、突進して来ていた。
120mm重迫撃砲小隊が砲撃を開始すると、それが合図だったかのようにアマゾニア王国軍騎兵が、突撃を開始する。
「地雷原の第1段階を点火!!」
ズドドド~ン!!
数百騎のアマゾニア王国軍騎兵が吹き飛ばされた。しかし、その俊足を生かして数十騎が無事に通り抜け、それに後続の千数百騎が、続く。
「司令!!地雷の第2陣は?」
「許可しない。見ただろう?騎兵を全滅させる頃には地雷原が無くなっているぞ、敵は騎兵だけでは無いんだ」
「・・・・了解しました」
結果、アマゾニア王国軍騎兵が突撃の射程に入り、その塹壕陣地にたどり着くまでに、5回の発砲の機会があった。
突撃の各級指揮官達は団員を良く抑え、見事な統制射撃を実施した。
しかし、数騎のアマゾニア王国軍騎兵が命懸けで塹壕陣地に飛び込み、塹壕陣地内での白兵戦に持ち込んで数の差で圧倒したものの、突撃の団員に数名の重軽傷者が出た。
軽傷者は、その場の応急処置で現場復帰して、重傷者は後方に搬送された。
アレグリア侯爵の軍団でも、同様の被害が出たようだが、上手く対処しているようだ。
その後は、アマゾニア王国軍に珍しい重装甲の歩兵部隊が押し寄せたり、弓兵が矢の嵐を降らせて来たりしたが、塹壕に寄り、近代火器で武装したゲシュタルト王国側に大した被害を与えることは出来なかった。
しかし、アマゾニア王国軍を10万程倒して、地雷原が8段階目まで突破されると流石に、マコト達にも疲れが見え始めた。
アマゾニア王国軍先鋒5万を相手にし出してから、2日目。交代要員の居ないマコト達は、アマゾニア王国軍の突撃の合間に僅かな休息を取るしか無かった。
そして、3日目、敵の航空兵力は何とか、ヘリ部隊が駆逐したものの、整備不良により、稼働機数が4機にまで落ち込んだヘリ部隊には、休息と敵の後方部隊の撹乱を任せて地上部隊はアマゾニア王国軍が押し寄せて来るのを待って居た。
しかし、その日奇跡は起きた。
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