131話 アマゾニア戦争 16
また、体調を崩してしまいました。皆さんも何事も無理せずにやって行きましょう。
マコトは、塹壕陣地に降り立つと自らも射撃戦に参加した。
しかし、フルオートや、三点射では密集した敵には弾薬の無駄遣いの為、単射でアマゾニア軍兵士を狙い撃ちした。
ボルトアクションライフルとはいえ約3500挺も数が揃えば、面制圧も可能になる。
弾薬のクリップを弾込めする間のタイムロスを気にしていたが、エリックは戦場全体を見渡し、火勢が弱まった箇所を見つけるとそこに、温存していた5・56mm軽機関銃を投入して火勢の衰えを補った。
敵が居れば、喰らい付く・・・・それが獣人の本能だ。
アマゾニア王国軍は、マコト達の軍団の陣地中央部の抵抗の激しさに目を奪われ、突撃にばかり戦力を集中して、塹壕を使い葬送曲の戦力が自分達を囲むようにして布陣して行くことに気が付かなかった。
マコトは、その知らせを突撃の塹壕陣地内に仮設した司令指揮所からの連絡で聞いた。
獲物が網に掛かったと・・・・・・。
マコトは、すぐさま命令を下した。
「攻撃開始」
アマゾニア王国軍の陣形の両脇で、爆発が起こった。そうアマゾニア王国軍兵士が錯覚する程の銃声だった。
500人近い、葬送曲の団員が持てる近代火器を思う存分に振るったのだ。
歩兵戦闘車の35mm機関砲が砲声を上げ、車両群に積載された12・7mm重機関銃が唸り、塹壕陣地に配備された5・56mm軽機関銃が吼え、歩兵の装備する19式7・62mm自動小銃が敵を薙ぎ倒す。
罠に掛かったのは、アマゾニア王国軍先方5万あまり。突撃の攻撃により2万近くが死傷していたが、この葬送曲の全力の集中砲火の中に消え去った。
塹壕陣地は、巧妙に配置されており、十字砲火を万全に生かせるようになっておりいくら撃ったとしても味方には、当たらないように考慮してあった。
この近代的な罠の前に、剣と魔法の世界の中世的なアマゾニア王国軍は脆くも崩れ去ったのであった。
マコト達は、アマゾニア王国軍の第2陣が戦場に現れる前に、射線を妨げるアマゾニア王国軍兵士の死体の除去に乗り出した。
いちいち穴を掘って埋める暇は無かったので、大きな穴を掘り、その中に工兵隊がショベルカーを使い死体を運んで行く。
時間が有れば、もう少し人道的に扱ったかもしれないが、相手は、アレフガルド王国で、人肉を喰らい既に魔物扱いが決まっているアマゾニア王国の獣人である。
結局は、そう大して扱いは変わらなかったかもしれない。
途中、アマゾニア王国軍兵士の死体から金品を剥ぎ取る者も居たが、好きにさせておいた。
元は、アマゾニア王国軍兵士が略奪した物かもしれないからだ。
戦場の整理を始めて2時間程が経った頃、物見櫓から監視をしていた団員から報告が入る。
アマゾニア王国軍中衛20万が戦場に到達したと・・・・・。
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