125話 アマゾニア戦争 10
台風で被害に遭われた方々大丈夫でしょうか。9月はまだまだ台風が発生するといいます。被害に遭った際の為に自分は水の備蓄や懐中電灯等の用意はしていますが遭ってみないと本当の大変さは分からないと思います。皆さんも非常時の備えはしておきましょう。
城塞都市ガルムに迫っていたアマゾニア王国の賊軍は数百の逃亡した敗残者を残して全滅した。
これは、結果として見れば葬送曲と、突撃の勝利だが、アマゾニアの獣人が決して降伏しないという現れでもあった。
戦後処理に追われる軍団、葬送曲の司令指揮所に1人の来客があった。
正確には、1人とその護衛達だったが。
「やぁ、ヒイラギ子爵、貴族軍の陣地配置もままならない状態でアマゾニア軍を撃退するとは、君の知り合いとして私も鼻が高いよ」
司令指揮所を訪れたのは、アレグリア侯爵だった。
「しかし、最後に敵に突撃して行った歩兵達。あれの武器は君達が使う物をグレードダウンさせた物に見えたが、何故性能が劣る物を?
それとも、あの武器が量産出来るようになってその試作品とか?」
マコトはアレグリア侯爵の質問に答えた。
「アレグリア侯爵、アレはアマゾニア軍の正規兵ではありません。
賊徒が群れたもの賊軍とでも申しましょうか。
武器については、使用しているのは葬送曲の団員ではありません。
現地雇用の軍団です。
その為に武器としては品質の劣る物を供与しています」
「何と!現地雇用の軍団に君達の武器のグレードダウン品とはいえ供与するとは、言ってくれれば有償でも私の軍団で借り受けたものを」
「閣下、雇い入れた以上はアレは私の軍団です。
そんな者達に無様な兵装はさせられません」
「ううむ、何か納得のいかないところも有るが納得しよう。
武器に余剰が有れば、アレグリア侯爵家で有償で借り受けるからな?」
「はい、その時が有りましたら宜しくお願いします」
「しかし、アレがアマゾニア正規軍でないとすると、他の諸侯が実力を過少評価して油断するかもしれぬ。
軍議の際は、釘を刺しておかねばな」
「ゲシュタルト王国軍は今後どのような方針を取られるのですか?」
「それよ!当初の予定では大規模な作戦行動の取れぬ、中小の貴族をこの城塞都市ガルムの守り位は出来るだろうと残すつもりだったのが、ヒイラギ子爵の活躍を見て手柄を焦った大、中の貴族がガルムはヒイラギ子爵に任せておけば万全とか抜かし出しおってな?
ヒイラギ子爵の軍団の火力を当てにしておった陛下や我等の考えと真っ向から対立しているのだ」
「それは、私共に取っても良い話ですな。ハハハハハッ!!」
「抜かしよるは、そのような後方勤務望んではおるまいて・・・(それにヒイラギ子爵には、もっと活躍して貰わねば娘を降嫁させることも叶うまいて)」
「何か、おっしゃいましたか?」
「イヤ、何でも無い。貴族家の当主たるものもっと貪欲に生きねばなるまいて」
「おっしゃる通りですな。領地の民の為にも、ヒイラギ子爵家の武名を高めましょう!!」
「その調子だ、ヒイラギ子爵には陛下も私も期待しているからな!!」
その時、司令指揮所の葬送曲の団員の通信士が声を上げる。
「前線の観測所から入電!!敵の主力が出現、その数は不明、陸地が3に敵が7、繰り返します。陸地が3に敵が7、敵が地平線を埋め尽くしています!!」
「アレグリア侯爵、敵の主力が現れたようです。戦の準備を!!」
「ウム、敵のこちらの防衛線への到着時刻は分かるか?」
「通信兵!!」
「はい、観測所がここから50kmですから、獣人の体力を考えるに5~6時間後頃と思われます!」
「ならば、少し早いが昼食を食べる時間ぐらいは有るな。
アレグリア侯爵一緒にいかがですか?」
「イヤ、私は他の貴族達に伝えて防衛態勢を取らせねばならない。
ヒイラギ子爵も頼んだぞ!!」
「はい、全力を上げて・・・・御武運を」
アレグリア侯爵が退出すると、マコトは、
「スネーク1~6をクールよりホットへ、敵の戦線をかき乱せ!!
ドローンを飛ばして敵の指揮所、補給線等を調べ上げろ!ハリーアップ!」
城塞都市ガルムでの第2戦目が幕を上げる。
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