116話 アマゾニア戦争 1
全国的に猛暑日が続いております。自分の住んでる地域でも連日のように記録更新のニュースが流れております。
自分も夏バテにヤられ、筆が中々進みませぬ。予告無く休載することもあるかもしれませんが、その際は平にご容赦をお願いします。
早馬が運んで来た使者が携えていた書簡には急ぎ戦争の準備を整えつつ、貴族家の当主は王都に参集するように書かれていた。
火龍アラドームの被害から立ち直れない貴族も多い中、この参集には疑問を持ったが、マコトは、鉱山都市ドリンドルに領主として叙されて来てから組織した準軍事組織である衛兵隊に領地の治安を任せると軍団に出撃準備を命じた。
以前は、街を巡り2週間かけて通った道のりを軍団、葬送曲は5日で踏破した。
王都ゲイボルグの外壁の周囲の林は切り開かれ、国中から集まった諸侯の軍勢によって埋め尽くされていた。
開拓村などの防衛の為に300人近い戦力が割かれた為、今回連れて来れたのは、600人程だったがその分機甲兵力と航空兵力を充実させていた。
歩兵戦闘車 2両
軽装甲機動車 20両
高機動車 30両
3・5tトラック 30両
多目的戦闘ヘリ ヴァイパー 6機
120mm重迫撃砲 3門
155mm榴弾砲 3門
まだまだ、有るが車両群レベルだとこんなものだ。
ヒイラギ子爵家の家紋にもしている旭日旗を掲げて、自分達の分の陣地をヘリポート分を含めて林をチェーンソーで切り開いて、切り株をトラックで牽引して引き抜いて整地して行った。
すると、後から来た諸侯等が空地の広さを見て、自分達にも土地を貸せと言い出した。
ヘリポートにする為に必要な土地なのだと、突っぱねていたが終いにはより引き連れて来た軍勢の多い男爵や、子爵、爵位の高い伯爵等が難癖を付けて来た。
先の動乱で名を馳せたヒイラギ子爵家とはいえ、その活躍を妬む者、怪しむ者等様々居た。
遂には、実力行使かと思われた時、その人は現れた。
「やぁ、ヒイラギ子爵、先の叙爵式以来だね。娘も君に会えなくて寂しがって居たよ。イヤ、ここは男親として複雑な心境になるべきかな?」
「ア、アレグリア侯爵・・・・」
「うん?君はサルマン伯爵だったね、他にも見た顔ぶれだが何かの集まりかい」
「いえ、何でも・・・・・」
「閣下、ヒイラギ子爵は不当に王家の土地を広範囲に占有しているのです。どうか、御采配を!!」
「止めろ!ハイネマン伯爵!!」
「不当?王家は今回の参集の為に城下の森を切り開く許可を出している。広範囲の土地?嗚呼、ヒイラギ子爵、盗賊討伐に使用した空飛ぶカラクリを持って来てくれたのだね。頼もしいよ」
アレグリア侯爵のその言葉が合図だったかのように、マコトに難癖を付けて来た貴族達は居なくなった。
「ありがとうございます。アレグリア侯爵」
「なに、娘の恩人に対しては安いものだよ。引き締めも必要だったしね」
ところで、とアレグリア侯爵は周囲を見渡すと小声で話し出した。
「私の兵、3000人分の土地を切り開くのを手伝っては貰えないだろうか?
見返りは勿論出す」
「ええ、喜んで」
団員達とアレグリア侯爵の引き連れて来た兵力、彼らのほとんどはアレグリア侯爵領の冒険者や、腕に覚えのある領民を臨時でまとめた軍団なのだそうだ。
勿論、専属契約している金等級の軍団も居るが、余程財政的に余裕の無い限り、貴族の引き連れている軍団はそんなものらしい。
そんな彼らが作業をしているのを見ながら、アレグリア侯爵が話し出した。
「今回の諸侯軍の招集について何か情報を得ているかね?」
「いいえ、賜った領地の復興で、外の世界にまでは気が回りませんでした」
「フム、君がアレフガルド王国で戦ったアマゾニア王国で飢饉が発生したらしいのだ。
それで、かの獣人達の主食である家畜が維持出来なくなり、今は我がゲシュタルト王国の信託統治領となっているアレフガルド王国に対して略奪をしばしば行っているらしい。
人、家畜問わずにな。
現地統治官からの援軍要請があったのは、つい先日のことだ。
遂にアマゾニア王国軍本隊が越境しそうだとな。
獣人どもに手抜きは出来ぬ、それが先の戦の教訓だ。
よって、最初から全力で侵略者どもを迎え討つ!!
その為の招集だ・・・・」
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