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115話 復興 4

23万Pv、ユニーク3万3000件達成!!

夏真っ盛り、皆さん夏バテしていませんか?自分は日々日々仕事で、昨日の事さえ思い出せません。そんな自分の潤いが、この作品です。皆さんに楽しんで頂ければ何よりの喜びです。

 「撃て!!」


 ドコン!!


 12・7mm対物ライフルがミスリルゴーレムの右足を直撃する。

 しかし、1発ではミスリルゴーレムが倒れることはなかった。


 「流石(さすが)はミスリル、一筋縄ではいかんか。射手、休まず撃て!」


 ドコン!!ドコン!!ドコン!!


 5発入りの弾倉が(から)になる前に、ミスリルゴーレムは、その体勢を崩した。

 

 「工兵隊、前へ」


 マコトは期を逃さず、次の手を打った。

 ドワーフの工兵達がミスリルゴーレムに群がって行く。


 ブンブン!!


 群がる蜂を追い払う熊の如く、ミスリルゴーレムは残された両腕を振り回し、ドワーフ達を振るい落とそうとする。

 1人のドワーフが、(こぶし)の直撃を受けて吹き飛ばされる。


 「衛生兵!!」


 次の瞬間には、エルフの分隊の中から衛生兵が飛び出している。

 現場では、まだミスリルゴーレムが健在なのにである。

 例え、後方支援の衛生兵とはいえ、危険を恐れる者は軍団(レギオン)には居ない。

 むしろ、積極的に前に進んで行く。戦友を救う為に・・・・。


 「バイタル安定。後送を!!」


 上着を脱いで、坑道にあった角材で即席の担架を作った2人のエルフの団員が即座に駆け付ける。

 担架に負傷したドワーフの工兵を載せると足早に戦場を後にする。

 勇敢と蛮勇は違うのだ。

 彼らは仲間の命を救う為に戦場を去るのだ。


 「爆薬設置完了!!総員退避!!」


 ドワーフの工兵隊長が、声を張り上げる。

 ミスリルゴーレムに群がっていたドワーフの工兵隊が散るようにして退避する。


 「爆破3秒前、3・2・1、点火!!」


 ドコン、ドカン、ズドン!!


 シルバーゴーレムを爆破した時よりも派手な爆発音が響き渡る。

 事前に爆破の際は、耳を塞ぐ様に指示を出しておいて良かった。

 それでも、間に合わず耳を押さえている団員が数人居たが、イレギュラーであるミスリルゴーレムを相手にしたにしては、上出来だろう。


 「状況確認!!」


 結果3人が自力で後方に下がり、残されたエルフの分隊と、ドワーフの工兵隊は息を飲んでミスリルゴーレムの居た場所を見つめた。


 ガラリ


 瓦礫が崩れる音がした。

 そこには、辛うじてヒトガタを保ったミスリルゴーレムが居た。

 マコトが右手を上げる。

 攻撃準備の合図だ。

 12・7mm対物ライフルと12・7mm重機関銃の槓捍(コッキングレバー)が引かれる。

 しかし、


 ドシャ、ズシン


 ミスリルゴーレムは崩れるようにして倒れ伏した。

 それが、ミスリルゴーレムの最期だった。



 

 それからが、大変だった。

 大量の銀塊とミスリルの塊を盗まれないように、3・5tトラック6両に積載して、軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)のホームベースの倉庫へと運ばれた。

 これから、少しずつ精製してインゴットにして、小出しに販売して行くことになることだろう。

 既に目敏い商会や、貴族、高位の冒険者から問い合わせが、来ているそうだ。


 事後の調査でミスリルゴーレムは、斥候(せっこう)が見つけた2本目の坑道の奥にあった遺跡から出現したようだが、戦闘により地盤が緩くなっており、本格的な調査は坑道が復旧してからになりそうだ。


 そんなこんなで、ヒイラギ子爵家は爵位に対して大きな軍事力と莫大な富を得ることになった。

 開拓村も冒険者や、商人が集い、既に街と言っても良い規模にまで成長した。

 後は、来年の作物の収穫が上手く行けば、アレグリア侯爵家を訪問しても大丈夫だろう。

 そんな風に考えていると王都からの早馬が届いた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 読み始めてこの話まで読みすすめました。 単純に疑問なのですが、なぜドラゴンやシルバーゴーレムやミスリルゴーレムの運搬にアイテムボックス使わないんですか?1発で解決するのに!なんてもどか…
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