114話 復興 3
3本目の坑道に向けて改めて12・7mm重機関銃と12・7mm対物ライフルを設置して、強力な投光器で照らし出す。
すると、坑道の入口から50mほどの位置に、体長2mほどの銀色に輝くヒトガタが見えた。
一見すると、巨人のように見えるが、首は無くて、足は短くてずんぐりしている。
久々にスキル・鑑定を使うと、
シルバーゴーレム Lv53
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と出た。
一部文字化けしているが、Lv53とは大したものだ昨日今日に出現したのではこのような高Lvにはならないだろう。
ちなみに、マコトはアレフガルド王国侵攻戦のさいに、Lv79になってからは
あまりステータスを確認していない。
LvUPの恩恵も大きいが、やはり近代兵器の火力には敵わないからだ。
強い光に照らし出されて、シルバーゴーレムは自分が発見されたことに気が付いたのか、軋み音をたてて動き出す。
「撃て!!」
エルフの分隊長の命令で、12・7mm対物ライフルを伏せ撃ちの姿勢で待機していた団員が発砲する。
ズドン!!!
弾丸は、見事にシルバーゴーレムの右足を撃ち抜き、その巨体を転倒させた。
ここからは、ドワーフの工兵隊の出番となる。
素早く、シルバーゴーレムの手足、胴体に必要な分量の爆薬を仕掛けて安全な地帯に退避した。
工兵隊長が、点火プラグの装置を操作する。
「3・2・1、点火!!」
ズドン、ズコン、ドコン!!!
シルバーゴーレムから、続けざまに爆発音がする。
土煙が晴れると、そこにはバラバラの銀塊になったシルバーゴーレムが居た。
イヤ、元シルバーゴーレムか・・・・・。
これで、街の財政も潤うことだろう。
マコトは為政者として、シルバーゴーレムが討伐されたことに喜んでいた。
しかし、
「伝令!!2本目の坑道から2体目のシルバーゴーレムが!!」
顔が強張ることになる。
そもそも、2本目の坑道にシルバーゴーレムが居ないことは、斥候が確認した筈ではなかったのか?
ズシン、ズシン、ズシン、ズシン
しかし、近付いて来る足音が伝令の言葉の正しさを示していた。
そして、遂に2本目の坑道からゴーレムが姿を現したが、何やら先ほどのシルバーゴーレムよりも輝いているように見える。
本日2度目の鑑定を行うと、
ミスリルゴーレム Lv79
***** *****
「ミスリルゴーレムだと!!」
マコトは、思わず叫んでいた。
一部の高位冒険者の武具の一部分や、火龍アラドームの財宝の中にも、ミスリルを使った宝飾品があったが2mを超えるゴーレム分のミスリルの価値など想像も付かない。
周囲の葬送曲の団員達もミスリルゴーレムと聞いてざわめいている。
「臆することはない!!シルバーゴーレムと同じ要領でやれば良い!!」
マコトは、内心の動揺を押さえつつ、団員達に指示を出した。
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