111話 鉱山都市ドリンドルへの旅地 3
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オーガとの交戦の後は、襲撃らしい襲撃も無く、一行は無事に鉱山都市ドリンドルに到達した。
ドリンドルに居た大量の避難民達も、その多くが元々住んでいた村や街に帰っており、残ったのは火龍アラドームに住んでいた場所を滅ぼされた人々であった。
マコトは、これから領主として鉱山都市ドリンドルと、その周辺の4つの村と、ドリンドルに取り残された避難民の救済に当たらなければならない。
それからの1週間は激務であった。
葬送曲の団員を派遣しての、4つの村の現状確認、新しく仲間になった50人の家臣団と共に鉱山都市ドリンドルの経済、治安、統治態勢の把握、避難民の把握と炊き出し等、多岐にわたる仕事をこなして行った。
元のドリンドル子爵の伝手は、汚職にまみれていただけに使えず、冒険者ギルドマスターにして、王弟のモーラスの協力を得て、商業ギルドとも連携して新しい統治体制を確立していった。
そして、葬送曲による調査の結果、2つの村が焼け落ちてほぼ壊滅的であり、残る2つの村も、深刻な人手不足であることが分かった。
マコトは、人手不足の村に元々この地域の人間である避難民達を説得して移住させて、壊滅した2つの村に王都からの移民団のうち、600人を派遣して復興させて、ドリンドル近くの森を開拓して残る移民団400人をそこに住まわせることにした。
人数の割り当てが決まったからといって、そこで終わりでは無い。
本格的な住居を建てるまでの仮設の住宅が必要であるし、住居を建てるにしても森から木を切り出して来て、そのまま使う訳にはいかない。
乾燥させて木材として使えるようにしなくてはならない。
また、避難民から盗賊に身を落とした連中や、火龍アラドーム
のせいで、生態系の狂った魔物達から移民を守らなければならない。
マコトは、解決法として、各村に50人の軍団の団員を派遣した。
エルフの精霊魔法を活用して、木材を乾燥させたり、魔物から移民を守る為だ。
あと、移民による不正を防いだり、不満の声を汲み取り易くする為だ。
勿論、森からの資源だけでは不足する為に、他の領地から資源を買い取ることになる。
しかし、恵まれたことに、マコトの治める鉱山都市ドリンドルは鉱物を産出する為、鍛冶職人も多く、釘や、ノコギリ、生活雑貨といった金属製品は自分達の領地で賄え、経費節減となった。
他の領地からの買い取りで、一番多かったのが、食料品である。
壊滅した2つの村を除いた、2つの村で、生産された食料品だけでは鉱山都市ドリンドルは勿論、1000人の移民団、避難民達の胃袋を満たすことはできなかったのである。
しかも、火龍アラドームは、防備の固い街より、農村を中心に襲っていた為に、鉱山都市ドリンドルを含む地域一帯は、深刻な食糧不足に陥っており、食料品の値段も高騰していた。
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