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108話 王都にて 2

 ミケーレ商会の協力もあり、王都での人材確保は順調だった。

 王都の衛兵隊から借り受けた真実の水晶を使い、犯罪歴の有る者は移民の候補から外した。

 これは、マコトが初めて鉱山都市ドリンドルを訪れた際に使われた物と同じ物であり、これに手を触れて嘘を付くと赤色に発光するという魔法具である。


 移民の生活を最低でも2年間保証するといった条件を付けると1000人の移民はすぐに集まった。

 領地までの道中の食糧、消耗品等を王国全土から買い集めていると、あっという間に1ケ月が過ぎた。


 その間にドリンドルから増援を呼び寄せたり、物資を運ぶ為の荷馬車を手配したりと忙しい日々が過ぎていった。


 100台以上の荷馬車に1000人を超える移民達をマコト達、軍団(レギオン)葬送曲(レクイエム)は鉱山都市ドリンドルまで護衛しなければならない。


 その為に、


 歩兵戦闘車 2両

 

 軽装甲機動車 10両


 高機動車 15両


 3・5tトラック 10両


 歩兵 300人


 空からは多目的戦闘ヘリ、バイパー3機が交代で護衛する。

 人員、戦闘車両共に1/3近くを投入した大規模な護衛団である。

 失敗などあり得る筈もなかった。


 荷馬車の半分近くは、体力の無い子供や女性、高齢者が乗っていた。

 健康な男性は、歩いて荷馬車に付いてきた。


 マコトは軍団(レギオン)を前衛、中衛、後衛3つに分けて配置した。

 なるべく脱落者を出さないように、時折休憩を入れつつ旅地を急いだ。

 だが、規模が大きくなればなるほど問題というものは起こるものである。


 出発から4時間後、休憩を取り昼食に軽食を取ってからの出発後すぐのことだった。

 1台の荷馬車の前輪の車軸が折れてしまったのだ。

 車軸が折れてしまえば、その荷馬車は動けなくなる。

 マコトは、荷馬車を放棄するか選択を迫られたが、結局3・5tトラックで牽引して行くことにした。


 村に到着すれば、荷馬車はそれぞれの村や街の共有物とする予定だったので、直せばまだ使える荷馬車を放棄する気にはなれなかった。

 しかし、牽引の為の作業に2時間ほど取られてしまい、その日はそのまま、夜営をすることになった。


 その晩、夜営中にワイルドバットという巨大なコウモリの襲撃を受けた。

 マコトのスキル、マップ作成と鑑定のコンボで襲撃を予想していた軍団(レギオン)は、暗視ゴ一グルを装備して迎え撃った。


 群れて来るワイルドバットに対して、19式自動小銃と5・56mm軽機関銃で

対空射撃を行った。

 反撃を受けたことの無いワイルドバットは真っ直ぐと突っ込んで来た。

 団員の正確な対空射撃を受けてワイルドバットは、バタバタと撃ち落とされていった。

 全長が2m有るワイルドバットは、ドサドサと重い音を立てて落下して来る。

 

 100匹を超えた辺りで、ワイルドバットは撤退を開始した。

 撃ち落とされたワイルドバットは、血抜きをして解体して討伐証明部位の牙を回収すると、残った部位は食用が可能な為に翌日の朝食に回された。


 コウモリの姿そのままだと忌避する人間が居るかもしれないので、刻んで野菜炒めにして提供された。

 朝から肉と重く感じるかと思ったが、長い避難生活を送って居た移民達は喜んで肉を食べていた。




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