107話 王都にて
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マコトは、王都に滞在して領地を治める為の準備を始めた。
火龍アラドームのせいで人口の減った農村部の移民を募集したり、技術者の勧誘等だ。
しかし、マコトにはどうしても訪れておかなければならない場所があった。
以前にも訪れた、ミケーレ商会である。
マコトが商会内に立ち入ると、直ぐ様に商会長のザラ・ミケーレが現れた。
「いらっしゃいませ、ヒイラギ子爵様!!本日は家臣団のご購入ですか?」
黒いスーツ様の服装をピッチリと身に付けていた。
「久しぶりだな商会長。商売繁盛のようで何よりだ、耳も早いようだな」
「それはまぁ、情報が命ですからね、ハイ!」
「しかし、領地を治める為の家臣団に使えるような犯罪奴隷は居るのか?」
ザラ・ミケーレは、胸を張り、
「ミケーレ商会に用意できない奴隷は、ございません」
ここで、ザラ・ミケーレは声を潜めて、
「ここだけの話ですが、金策に困った貴族が、家臣に無実の罪を着せて犯罪奴隷として売り払うことが稀に有るのでございます」
マコトは驚き
「それは、違法では無いのか?」
と、問うた。
ザラ・ミケーレは、首を振ると
「お互いが納得していない場合はそうでございますが、中には主人の為に身を売る者も居りますし、破産寸前の主人を見限って、新たな主人を見つける方法とする者も居ます」
と、説明する。
マコトはそういうものかと頷いた
「ではミケーレ商会では、そのような人材も扱っていると?」
ザラ・ミケーレは、満面の笑みを浮かべると、
「ハイ!行政、財政、外交、政治、公安、諜報等、さまざまな人材をセットでご用意しておりますです、ハイ!
ああ、公安は既に最高の軍団をお持ちでしたね」
「居るだけ欲しい、いくらだ?」
ザラ・ミケーレは、笑みを浮かべたまま、
「老若男女合わせて50名、1人あたり、白金貨10枚1000万円。
総額白金貨500枚、5億円になりますです、ハイ!」
「相場の3倍か・・・・ふっかけたな?」
「いえいえ、知識人の犯罪奴隷というものは貴重でして、これでも勉強させて頂きました、ハイ!」
マコトは護衛で付いてきたエルフの団員に合図を送った。
すると、5人が進み出て装飾の施された箱をテーブルの上に置くと下がった。
「白金貨で500枚有る。確かめてみるか?」
ザラ・ミケーレは、首を振り子のように振ると、
「いえいえ、滅相も無い!!ヒイラギ子爵を疑うなどありえません!!」
「口が上手いな・・・・」
「ヒイラギ子爵?」
「イヤ、何でもない。それよりも、奴隷達の体調は万全なのだろうな?」
「ハイ!それは勿論、鉱山都市ドリンドルまでの旅路も十分耐えらます!!」
「ならば結構。商会長、良い商談だった」
「王都ゲイボルグへお越しの際は、是非ともお立ち寄り下さい」
マコト達はザラ・ミケーレに見送られて、新たに加わった家臣団候補を連れて高機動車と3・5tトラックでミケーレ商会を後にした。
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