105話 論功行賞 6
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城に着くと、エリクサー等の献上の品は別の部屋へと持って行かれ、団員立ち会いのもとに目録が作られて、マコト達は別室で待機していたが、目録のみが手渡された。
国王ヘイマンには、目録のみを献上して、品物は宝物庫に運ばれるようだ。
目録に間違いが無いのを確認していると、文官がやって来て拝謁の時間だと言う。
これからは、マコト1人で、謁見に臨まなければならない。
普段ならば、事前に叙爵される爵位が通達されて、謁見に臨むらしいのだが、今回は、特例で事前には通達されないようだ。
マコトが授爵を断って逃げないようにする意味合いもあるのかもしれない。
とにかく、何が起こっても良いように、最悪、城から脱出するケースも検討してマコトは護衛の団員達と離れて、文官に付いていった。
以前にも、訪れた荘厳な扉の前で、文官と別れると、扉を守る武官が、
「葬送曲団長ヒイラギ・マコト殿、ご入座~!!」
口上を述べて、扉を2人がかりで開けて行く。
謁見の間は、貴族や、武官、文官で溢れかえって居た。
マコトは、謁見の間に敷かれた赤いカーペットの上を胸を張って歩くと、玉座の前、10歩程の位置で膝まついた。
「ヒイラギ殿、面を上げよ」
ヘイマン国王の許しが出て、マコトは顔を上げた。
「今回は、何やら献上の品が有るとか?」
国王の言葉に、文官の1人が進み出て、マコトから目録を受け取った。
そして、目録を読み上げていく。
鉱山都市ドリンドル産の貴金属で作られた細工の品や、大量の胡椒や、砂糖の香辛料、そして、火龍アラドームの眼球と爪、そしてエリクサー、等が読み上げられて、その豪華さに、居合わせた貴族達もため息を漏らす。
「珍しい品の数々、礼を言う」
ヘイマン国王が、マコトに献上の品の礼を言う。
しかし、
「陛下、この者は火龍の素材をもっと所持している筈です。
それらの品も献上させるべきです!!」
何処にでも、空気の読めない人間は居るものだ。
とんでも無いことを言い出したのは、財務大臣のゴーツクだ。
「もっと沢山の素材を献上させれば、関係が悪化したアシュラ王国との関係改善の材料ともなります。どうか御再考を!!」
『たわけ者が!!!』
ヘイマン国王の怒声が謁見の間に響き渡る。
「アシュラ王国の者は、我が国の中で騒乱を引き起こして、国外退去を命じた筈だな?そのような者達の肩を持つとは、財務大臣、貴様アシュラ王国から賄賂でも貰っているのでは、無かろうな?」
「いえいえ、そのようなことは、決して・・・・・」
「ふん!!怪しいものだ。近衛騎士団、この者の取り調べをせよ!!」
「へ、陛下、それはあまりにも・・・・・・・」
財務大臣ゴーツクは、謁見の間から引きずり出された。
ヘイマン国王は、場を仕切り直すと、
「これだけの献上品を貰い、これまでの国内外での活躍、貴殿には感謝しても、し足りない。しかし、貢献には恩恵があるべきだ!!
そこで、葬送曲団長マコト・ヒイラギに申し渡す!!
貴殿には・・・・・・・」
続く
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