10話 ドリンドルにて 4
今週2話目の投稿です。いつもこのペースだと良いんですけど。感想、ブックマークいつも、ありがとうございます。感想で異世界なのに通貨が円なのは、どうも・・・というご意見が有りましたので、助けたお姫様の父親が現国王の弟なのに公爵で無く侯爵な理由とも合わせて理由を簡潔に説明させていただいてます。あまり書くとネタばれになりますので、作中でご理解の程宜しくお願いします。
冒険者ギルドの扉を通り抜けると、冒険者が2人死んだばかりのせいか何処と無くギルドの喧騒も静かな気がする。
受付嬢のところへ行くと、昼間の受付嬢は見当たらなかったので、一番近い受付嬢に話し掛けた。
「常設依頼の達成報告だ。ゴブリンが42匹、トリアージ草が17本だ」
「確認します。ゴブリン3匹討伐で5000円、トリアージ草5本で3000円の常設依頼で宜しかったでしょうか?」
「ああ、間違いない」
「分かりました。ゴブリン討伐は14件分達成で、7万円。トリアージ草3件達成と2本余りですが品薄の為買取りで1万200円。合計8万200円です」
「ありがとう」
マコトは昼間のこともあり礼を言ったが、受付嬢はびっくりした様子で
「こ、こちらこそ、トリアージ草も綺麗に採集して頂きありがとうございました。おかげで査定も楽で、査定で下がる方も多くて揉める原因にもなります。だから、本当にありがとうございました」
「それは、貴女と同じ受付嬢さんのアドバイスのおかげですよ」
「ああ、アリア先輩のことですね。私達にとっても憧れなんです」
「そうなんですか。そういえば、この国の通貨、円と言いましたか?不思議な響きですね」
「良く他国から来られた冒険者の方々には言われますが、国際基準には適合していますよ」
そういうと、受付嬢は通貨の一覧表を出して来た。
10円 鉄貨1枚
100円 銅貨1枚
1000円 銀貨1枚
10000円 金貨1枚
10万円 大金貨1枚
100万円 白金貨1枚
「何でも、異世界から来られた初代国王様が、戦争や災害で混乱した財政を建て直す一環で通貨の単位を変えられたそうなんです。でも、古い通貨で財産を貯め込んでいた当時の大貴族、いくつもの王家の身内であった公爵家までもが反乱を起こしたんです」
ここで、受付嬢は一息入れると、
「勇者として召喚された初代国王様に頼り切っていた貴族達が敵う筈も無く、反乱は次々と鎮圧されました。しかし、そのせいで国内は更に荒れてしまったんです。そこで、初代国王様は貴族に権力が集中しないように、公爵家を廃止して、貴族の私兵の制限を行ったそうです。それが300年前で召喚方法なんて物も失われ、異世界の勇者ではなくカリスマを持った平民だったなんて言う歴史家も居るぐらいです」
そこで、受付嬢はずっと話し続けていたことに気付いたようで、
「すみません、長々とおしゃべりしてしまって。8万200円になります」
そう言って、受付嬢は金貨8枚と銅貨2枚を差し出して来た。
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