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1話 異世界転移

プロローグです。戦闘回等はもう少し後になります。

 「ここは、何処だ?」

 自分、柊誠は白い空間で目を覚ました。そう、最後の記憶は実家で昼寝をしていたところだった。

 今までの人生は、他人から見れば順風満帆だったのかもしれないが、自分としては、ある意味地獄だった。

 高校を卒業後、警察官採用試験を受けたが、不採用。専門学校に行きながら試験を再度受けるも、不採用。

 叔父が自衛官だったことから、陸上自衛隊を受けると、今までの勉強の成果か、今では、無くなってしまったが陸曹候補士という制度で合格することが出来た。

 訓練は厳しかったが、信頼のおける上官、苦楽を共にした仲間達。今までの人生で最も充実した日々だった。

 しかし、訓練期間を終えて、一般部隊に配備されて日々を過ごす内にこれで良いのか?という気持ちが浮かんできた。「守りたい人がいる」自衛隊の合言葉だ。


 けれど、訓練教育にもあったが、専守防衛。いざ事あらば抜かれる伝家の宝刀、そんな言い方をする人も居た。

 けれど、自分は今、人々の為に働きたいんだ!!今考えると若い、青臭い思いだった。

 部隊の上官に相談して、改めて警察官の採用試験を受けた。すると、何と採用が決まったのだ。

 部隊の上官を始め、同僚の皆は祝福してくれた。

 「頑張れよ!!」何度も声をかけられ、涙した。

 警察学校に入学し、約1年間の訓練を受けた。座学と逮捕術を始めとした武道訓練、新しい仲間達と将来について語り合う。

 人生で再び訪れた、充実の日々だった。しかし、夢は長くは続かなかった。

 いざ、警察署に配属になり交番勤務となると、仲間は、仕事上のライバルになり日々検挙実績を挙げることを強いられた。

 酒の席でこそ、本音で愚痴を言い合い、勤務日になれば競い合う。


 職場を去る先輩、同期、後輩を数多く見て来た。次は自分の番か?機会だけは多く有る酒の席で、近い年齢の者同士ささやきあった。

 そしてついに自分の番がやって来た。実績について勤務下番時の報告で注意を受け、身に覚えの無い犯罪スレスレの行為の疑いを掛けられ、問題を起こし荒れている上司とコンビを組まされ、日々細かい事で叱責される。

 病院で詳しいことは忘れたが、うつ病の一種と診断され、休みがちになるのに時間はかからなかった。そして、勤務する警察署に居る上司に言われたのは心配の言葉ではなく、「進退は自分で決めろ。」の一言。

 警察を辞めるのに時間はかからなかった。

 警察を辞職後、警備会社に就職したが、うつ病は尚も尾を引いていた。

 長期休暇を何度も取る羽目になり、最後には実家に帰っての病気療養となってしまった。

 会社に、家族に迷惑をかけて、することも無く過ごす日々。そんな中珍しくも無くなった。

 昼寝をしていた中での出来事だった。

 「柊誠さん、あなたは残念ながら亡くなられました」

 突然、後ろから声をかけられた。

 「誰ですか?」

 後ろを振り向くとスーツ姿の女性が、すまなさそうに立っていた。

 その姿を見て、柊は警察署の会計課の女性職員が書類の訂正で呼び出しをして来た時に似ているなと思った。

 「私たちは簡単に言えば、魂の管理者。死神です。今回は全く想定外の事が起こりまして・・・」女性は語った。

 「想定外?」

 「はい、柊さん、あなたは病を克服し、人生をやり直し、100歳近くまで大往生して亡くなる筈でした。しかし、こちら側の過失で30歳の若さで、寿命で亡くなる事になってしまったのです」

 「え?」

 「本来でしたら、もっと上役の者が説明に訪れるべきなのですが、処分が大変広範囲に渡っており、大変混乱しておりまして、私が参った次第です」

 「家族は?家族はどうなりましたか?」

 「柊さんは突然の心筋梗塞で亡くなったということになっておりまして、ご家族も大変哀しまれておりましたが、保険金等は滞りなく支払われた模様です」 

 「そうですか・・・・良かった」

 「あまり、ショックを受けらていないようですが?」

 「ショックは受けてますね。しかし、最後に保険金は結構掛けておいたのでその点では最後の親孝行が出来たので良かったです」

 「そ、そうですか。それで、これからの事ですが、異世界に転生してみませんか?」


 「え?」








誤字報告、感想等拙い作者ですので、どしどしお願いします。

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