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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第八章 - 帰郷





家に帰ってきたタン。

教会だった自分の家が、紛争がまた始まり十字軍の本部になっていた。

やっぱりか‥タンは予感していた、

昔の紛争がまたやってくる事を。

この時のための旅だったとは、タンにしかわからない。


本部の周りが物々しい雰囲気で、猫すら近寄ることができない、飼い主の牧師が現れるまで遠くで様子を見ることにしたタン。


この国の王は、ヘブライ人への迫害、差別、奴隷と長きに渡り神権を悪用してきた。

ヘブライ人もこれには憤りを感じ、

反乱軍を十字軍として何度か結集し立ち向かったが、十字軍を制圧すべく作られた王国のパロ軍によって阻止されてきた歴史がある。

タンの生まれ育った年代には、条件付の和解をして街を作り落ち着いて居たが、ここでまた内乱が始まったばかりだった。


どうもきっかけは、パロ軍が疫病を散布したと言う噂だったらしい、再び迫害を受けていると言うことだった、

タンが見えた疫病は、細菌を使った化学兵器らしい。特殊な能力もあるがタンには細菌が見える、人工的なものなら尚更見える視覚だったと言うことになる、タン自身も気がついて居た。


暫く教会様子を見ていると

教会から二人の男が出て来た。

それは、飼い主の牧師と友人の科学者だった、懐かしい顔に嬉しくなるタンは徐ろに駆け寄る。


「あ‥おー!お前はタンじゃないか

何処へ行って居たんだ!よく無事に帰って来たなー!よしよし。」


牧師も大喜びしてタンを抱き抱えるが、そこで友人の科学者が言う、


「ちょっと待って!暫く外でうろついて居たみたいだから、疫病が付いてるかもしれないぞ‥」


友人の科学者はそう言うと、携帯している眼鏡を取り出し、タンを隅から隅までジーッと見つめる。


「暫くの外の生活で、汚れては居るけど‥お前は大丈夫そうだな!牧師、良いですよ。」


科学者のかけた眼鏡は、タンの能力と同様の機能で、細菌を判別出来る物だった。パロ軍によってばら撒かれた疫病の細菌も、この友人の科学者によって作られた除染薬で元通りにしたばかりだった。

タンは、飼い主と同士に迎えられ無事に自分の街へと帰って来られたのだった。






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