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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第四章 - 新たな地へ





ボス猫から上手く逃げられたタンは、港の疫病に染まる所を縫うようにして、停泊中の船に飛び乗った

船底に身を潜め暫く様子見する事にした。逃げ切った安堵感と疲れていたのか、もう寝る頃か、そのまま眠りに就いてしまった。


何度か、船員が食材を取りに来たり、

道具を入れ替えしているが一度眠りに入ると熟睡してしまったタン。

やがて、大きな人間の掛け声に起こされる、しかも船は揺れている

出港してしまった様だ。


しまった!と思うのも束の間で、

外が見えるところまで出て見ると港からだいぶ離れてしまっている。


どうしよう?


考えてももう遅い、行き先はわからないがそこまで辿り着かなくてはその先が無いからだ。


幸いにも、この船内で疫病は見られない、それでも助かった事と思わなければ、タンは自分に言い聞かせる。

お腹もそろそろ空いて来た、何時ものこの時間は散歩から家に帰り食事の時間の頃、そう思って船内を散策する事にしたタン。

ここは食材貯蔵庫だった、ウロウロガサガサと物色すると、木の実と魚の燻製の保存食がある、とても幸運だ。

腹ごしらえに食事の時間にするタン、

ここの食材を漁った事がバレたらと、この後また食べ物にありつけるかわからないから、何時もより多く食べるようにした。


住んでいた土地の港から船出して、

何日か経過した。

また、睡眠中に大勢の掛け声に起こされる、この掛け声は手漕ぎでオールを押し引きする合図だったようだ。

どうやら次の行き先へ着港する様子だった、やっと地面の上を歩ける。

そう思ったタンは船底で見つけた綺麗な石を破けた麻袋を解いて紐代わりにして体に巻きつけ下船の準備をした。


少し外の様子を見る。

ここは、疫病は見えない

良かった。タンは安心した。


着港、碇が下される。

下船する縄ばしごが港の人に投げられた、その瞬間タンは飛び降り一目散に走っていった。


生まれ育った街より少し緑が生え、匂いも美味しそうな気がしてワクワクする。この際家路は後回しにしてちょっとした小旅行といきますか!

以前の現気な頃のタンに戻った瞬間だった。





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