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KV65の墓 - 猫のタン  作者: 音澤 煙管
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- 第二章 - 昔の紛争




飼い主家族が寝静まり、いつもの様に散歩へ出掛ける猫のタン。


今日の夜空はやけに明るい、

その昔、話で聞いたことがある。

以前の文明での紛争で、その火花が月や近場の惑星までに及び、地球軍対異星軍との戦いにまで発展し月が異星軍の基地となり、二分化され二つになったと。

二つ分の月明かりでは昼間並みだし、

タンの視界では眩しいくらいだ。

生憎の特殊な視力のお陰で細菌は避けて歩けるが、他の猫たちに見つかってしまう。ここは、ゆっくり進むことにするタン。


街の通りの家々は、白い壁が続いている。大通りは、馬が引く荷車と歩く人しか通らない。

裏道は狭いが、猫のタンには丁度いいからそっちを選んで居る。


上空には、足漕ぎドローンが浮遊し行き交う。

軽量化し無駄の無いギア比に優れ、簡単に漕げて高回転するドローンが存在する、こちら側では近未来的な乗り物と思われるが、タンの時間線では過去の紛争で使用された置き土産的な物で、この世界では便利な物として普通に足として使われている、言うならばドイツ軍が戦争のために作り上げた無線とカメラの様なものでスマホと呼ばれる物も然り。


タンの世界の人々は、特別な眼鏡をかけて居てそれがこちら現代のスマホ代わりになっているから、手を塞ぐ心配もスマホ歩きなどと言う迷惑な行為も見当たらないし環境にも影響は無い、

眼鏡のレンズは特殊な水晶で出来ている。


眼鏡のフレーム内部にはクォーツと、他の天然石の組み合わせで、照合し合う同士で会話もできる、専らこちら側の様にネットなど無いから天気予報と、ローカルな話題の文字が流れる程度だが、それがこの世界では最新式の物らしい。電波の代わりになるのは昔の紛争で朽ち果てた、地球の軌道を永遠に廻る古い戦艦で反射している仕組みだ。


以前の紛争の面影の中での生活が大きいタンの生きる世界ならではである。


見慣れた風景を余所目にゆっくり進んで居るタン、裏道の家々の脇から黒い影に見られて居るのも知らずに。







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